短期集中の夏期コースは、だからこそ一回の授業が3時間と長かった。毎回の講義にあたり、スライドを準備し、話す内容と流れを設計し、一人でリハーサルをするだけでも結構な時間が取られてしまうのだ。そして、そこまでやるからには、(給料以外でも)きちんとリターンを得なければやってられぬ。ということで、この機会を英語スピーキングの向上にもつなげようと目論んだのは以前に書いたとおりだ。
その狙い通りにいかなかったことも多々あるのだが、それでも受講生フィードバックでそれなりに高く評価してもらえたところを見ると、英語コミュニケーションという点では一応の成果はあったように思う。授業に際して英語スピーキングで意識したことを以下にまとめておくが、この先どう頑張ってもネイティヴ級の流暢な英語には達し得ない僕としては、今後もこのやり方で「気楽に」やっていこうかと思っている。
1.発音よりもリズム・トーン・メロディを意識する
まず最初に発音は諦めた。残念だけど全てはココから始まった。綺麗な発音ができるならそれに越したことはないし、正直うらやましい。しかし、コミュニケーション全体を考えた際、発音矯正にかける労力があるならもっと効率よくレベルアップできるところに注ぎたい。そして個人的には、英語スピーキングにおいては、リズム・トーン・メロディの強弱と切替が、発音そのものよりもずっと効果が大きいと思うのだ。そう認識させてくれたのが、『英語で考えるスピーキング』。前に詳しく書いた通りだが、インチキくさい風貌のドクター・ヴァンスのこのシリーズは思いのほか役に立った。何よりも、発音わるい俺でも何とかなるかも、と勘違いさせてくれた素晴らしき一冊。

2.パワー英単語に置き換えてパワフルに話す
リズム・トーン・メロディの強弱の「強」に更なるパワーを注入してくれたのが数々のパワー単語。『パワー英単語100』と『ビジネスパーソンの英単語帳』には、そんなインパクトのある単語がリストアップされている。以前に詳述したように、授業でもプレゼンでも、僕らには何か言いたいことがあるわけだ。もっと言えば聴いてもらいたいことがあるのだ。だから、手を変え品を変え、何とか最後まで聴衆の関心を惹きつけたいと思っている。移り気なオーディエンスを飽きさせないよう、メリハリを付けた話をするのに有効なのが、このパワー単語たちなのだ。

3.強弱の「弱」をつける基礎英単語を増やす
力強くメッセージを運ぶパワー単語は、その日のキーワード・キーフレーズに絡めて使いたい。ボクシングに例えるなら、相手をノックアウトする右ストレートパンチだ。しかし、その必殺パンチを決めるためには、効果的な左ジャブが欠かせないわけであり、それこそが、話の強弱の「弱」を担当する基礎英単語たちなのだと思う。その手数を増やすのに最適なのがこれまで何度も書いたとおり「あの植田一三」の『発信型英語スーパーボキャブラリービルディング』だ。『村上式シンプル英語勉強法』の中でも絶賛されている隠れた名著である。同様の目的で『類語使い分け辞典』もかなり使える一冊だった。

4.好きなテーマで自信満々に遠慮なく脱線する
パーティでも授業でも、出だしの small talk がうまくいけば、その後の話全体がスムーズに進むのは確かにその通りだ。そのためには、「極上の小ネタ」「至高のトリビア」をいくつか持っておくと大変助かる。統計学の授業で幸いだったのが、そんな小話は掃いて捨てるほどあったということ。実際、ギャンブルの統計学について話したり、統計学者の異人・奇人・変人ぶりを語れば、そりゃあ受講生側の食いつきもイイわけである。面白いもので、自分が選りすぐった small talk をするときには、英語もぜんぜん苦にならない。受講者にとっても息抜きになるだろうが、講師側としても憩いの一時だったのである。

5.自分のリハを聴いて失望し、本番トークを聴いて絶望する
最後に、スピーキングスキルを最速で向上させる小ワザを紹介しておきたい。それは「自分のトークを自分で繰り返し聴く」ということだと確信している。はっきり言ってこれはもう、顔から火が出て、そのまま自ら穴を掘って入りたい、それくらい恥ずかしい。だから心臓が弱い人には絶対にお勧めしてはいけない。でもこれをやる価値は大きいよ。何しろ流暢に話している(つもりの)「イメージの自分」と、実際にはしどろもどろの「リアルな自分」の間に、どんだけ落差があるのか自分自身の耳で確認できるのだから。一番低機能のICレコーダー(オリンパス製品がGood)を自分の胸ポケットにそっと忍ばせておくだけで、抜群に費用対効果に優れたスピーキング&プレゼンの鍛練になる。失望と絶望のその先に希望が少しはあると信じて、僕はいつもこうやって「恥ずかしいオレ」の「恥ずかしいトーク」を、最初は顔を赤らめつつ、次第に羞恥に身悶えながら聴いているのであった。つ、ツライっす・・・。

1.発音よりもリズム・トーン・メロディを意識する
まず最初に発音は諦めた。残念だけど全てはココから始まった。綺麗な発音ができるならそれに越したことはないし、正直うらやましい。しかし、コミュニケーション全体を考えた際、発音矯正にかける労力があるならもっと効率よくレベルアップできるところに注ぎたい。そして個人的には、英語スピーキングにおいては、リズム・トーン・メロディの強弱と切替が、発音そのものよりもずっと効果が大きいと思うのだ。そう認識させてくれたのが、『英語で考えるスピーキング』。前に詳しく書いた通りだが、インチキくさい風貌のドクター・ヴァンスのこのシリーズは思いのほか役に立った。何よりも、発音わるい俺でも何とかなるかも、と勘違いさせてくれた素晴らしき一冊。


2.パワー英単語に置き換えてパワフルに話す
リズム・トーン・メロディの強弱の「強」に更なるパワーを注入してくれたのが数々のパワー単語。『パワー英単語100』と『ビジネスパーソンの英単語帳』には、そんなインパクトのある単語がリストアップされている。以前に詳述したように、授業でもプレゼンでも、僕らには何か言いたいことがあるわけだ。もっと言えば聴いてもらいたいことがあるのだ。だから、手を変え品を変え、何とか最後まで聴衆の関心を惹きつけたいと思っている。移り気なオーディエンスを飽きさせないよう、メリハリを付けた話をするのに有効なのが、このパワー単語たちなのだ。



3.強弱の「弱」をつける基礎英単語を増やす
力強くメッセージを運ぶパワー単語は、その日のキーワード・キーフレーズに絡めて使いたい。ボクシングに例えるなら、相手をノックアウトする右ストレートパンチだ。しかし、その必殺パンチを決めるためには、効果的な左ジャブが欠かせないわけであり、それこそが、話の強弱の「弱」を担当する基礎英単語たちなのだと思う。その手数を増やすのに最適なのがこれまで何度も書いたとおり「あの植田一三」の『発信型英語スーパーボキャブラリービルディング』だ。『村上式シンプル英語勉強法』の中でも絶賛されている隠れた名著である。同様の目的で『類語使い分け辞典』もかなり使える一冊だった。


4.好きなテーマで自信満々に遠慮なく脱線する
パーティでも授業でも、出だしの small talk がうまくいけば、その後の話全体がスムーズに進むのは確かにその通りだ。そのためには、「極上の小ネタ」「至高のトリビア」をいくつか持っておくと大変助かる。統計学の授業で幸いだったのが、そんな小話は掃いて捨てるほどあったということ。実際、ギャンブルの統計学について話したり、統計学者の異人・奇人・変人ぶりを語れば、そりゃあ受講生側の食いつきもイイわけである。面白いもので、自分が選りすぐった small talk をするときには、英語もぜんぜん苦にならない。受講者にとっても息抜きになるだろうが、講師側としても憩いの一時だったのである。


5.自分のリハを聴いて失望し、本番トークを聴いて絶望する
最後に、スピーキングスキルを最速で向上させる小ワザを紹介しておきたい。それは「自分のトークを自分で繰り返し聴く」ということだと確信している。はっきり言ってこれはもう、顔から火が出て、そのまま自ら穴を掘って入りたい、それくらい恥ずかしい。だから心臓が弱い人には絶対にお勧めしてはいけない。でもこれをやる価値は大きいよ。何しろ流暢に話している(つもりの)「イメージの自分」と、実際にはしどろもどろの「リアルな自分」の間に、どんだけ落差があるのか自分自身の耳で確認できるのだから。一番低機能のICレコーダー(オリンパス製品がGood)を自分の胸ポケットにそっと忍ばせておくだけで、抜群に費用対効果に優れたスピーキング&プレゼンの鍛練になる。失望と絶望のその先に希望が少しはあると信じて、僕はいつもこうやって「恥ずかしいオレ」の「恥ずかしいトーク」を、最初は顔を赤らめつつ、次第に羞恥に身悶えながら聴いているのであった。つ、ツライっす・・・。

2011/10/22(土) | English | トラックバック(0) | コメント(2)