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世のざわめきと政治の季節

政治が面白い。日米を比べると、そのどちらもが過去の大きな失敗を乗り越えようとしている点に共通点が見られる。アメリカの場合は、1993年のクリントン政権のもとで挫折した医療保険改革。先日のオバマ大統領の演説も、その要旨は、これまで何度も議論し(頓挫し)てきた改革をここで決着させようではないか、というものだ。

翻って日本も同じく16年前の、非自民連立政権のあっけない崩壊という悪夢のような失敗をどう乗り越えるかが注目されている。とくに日本人の僕としては、日本の今後の政治をどう創りあげるかという現在のプロセスに、アメリカにいてもわくわくするものを感じる。それは楽観的な期待というのではなく、どちらかというと心のざわめきとでも言うべきものだ。恐らくは多くの日本人も今同じような心境なのではないかと推測する。積極的に民主党を支持したわけでもなく、鳩山由紀夫に多くを期待しているわけでもない。それにも関わらず、何か新しいことが起こりそうだという予感でざわざわするのである。

そんな日本のざわめきはきっと、日常生活の至るところに現れているのではないか、とこれまた想像してみる。テレビでは朝のワイドショーから夜のニュースまで、新政権ニュースの報道で忙しい。当然、テリー伊藤も、爆笑問題も、やくみつるもフル回転でコメンテーターを務めているであろう。駅のホームも電車の中もせわしない。通学・通勤途中では、いつも以上に週刊誌の告知に注目だ。新政権の人事構想から人事抗争まで話題には事欠かない。だからAERAのキャッチコピーもいつも以上にネタが豊富だぜ。

テレビと週刊誌以上にいま面白いのが夕方の帰宅ラッシュ時にキオスクに並ぶ夕刊紙だろう。日経新聞もいいんだけど、世の中がざわついているこんな時はゼッタイにタブロイド紙が面白い。新聞大不況の中、日刊ゲンダイも夕刊フジもきっと大幅に部数を伸ばしているに違いない。そこには、永田町裏話から、霞ヶ関との対決シナリオ、そして小沢一郎の次の構想とさらなる「新」新政権までが語られる。ああ日本に帰りてー。タブロイド読みてぇー。

そんなことを考えているだけでまたワクワクしてきたゾ。ひょっとしてこれは日本人の深層心理に触れるものなのではないだろうか、とまで考えてみる。歴史的に見ても、幕末のペリー来航に大慌てした日本人。お国の一大事だと大騒動になったものの、実はそこにはワクワク感があったのではないだろうか。江戸の町中を駆け抜ける「ていへんだ、ていへんだぁ~」の声とともに配られた号外。これは現代で言えば、まさに日刊ゲンダイが同じ役割を担っているわけである。狂歌として詠われた「泰平のねむりをさます蒸気船たった四はいで夜もねむれず」だって、AERAのキャッチコピーそのものと言ってよい。こんな世の中のざわめきは、江戸時代の頃から変わらずに日本という国が持つ特徴なのかも知れない。だからいま政治が面白い。黒船を送り出した国にいる今、つくづくそう想うのだった。



2009/09/12(土) | News | トラックバック(0) | コメント(0)

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