若き経済学者のアメリカOthers ≫ ウォールストリートとアスリート

ウォールストリートとアスリート

金融機関の高額報酬の是非について友人と議論。僕は日本人として日本人らしく、どう考えてももらい過ぎだゼと言う。そんなのは、強欲(greed)に拍車をかけるだけだゼと。だいたい、成果報酬で決まるなら収入は青天井。その一方で、ディールに失敗したとて最悪のケースで職を失う程度ではないかと。だったら思いっきりリスク取っちゃうだろうと思うわけだ。

友、反論して曰く。ならばなぜスポーツ選手の高額報酬は批判されないのかと。彼らも成果報酬であり、金融機関もそれと同じシステムではないかと。ふむと考え込んだのだが、システムは同じでもモチベーションが全く異なるのではないかと考えた。要は、十分な資金を貯めこんでアーリーリタイアメントを目指すウォールストリートと、スポーツそのものにやりがいを感じるアスリートの違いだ。さっさと稼いで、とっととフロリダに別荘を買って、優雅な余生を過ごしたいというスポーツ選手を、寡聞にして知らない。

アスリートがスポーツし続けることに充実感を感じるのならば、野球だろうとアメフトだろうと、怪我を招くような過度にリスキーなプレイは当然避けるはずだ。だが、ウォールストリートの諸氏は果たしてどのようなモチベーションで、そしてどれだけのリスクを取って仕事に臨んでいるのか。報酬システムの設計は経済学の一分野でもあるのだが、金融機関でうまいこと応用されているという例を聞かない。それは経済学の力不足でもあるのだが、その力を上回る greed がストリートを支配しているという背景もあるのだろう。

2009/09/25(金) | Others | トラックバック(0) | コメント(2)

«  |  HOME  |  »

はっしー

『No title』

トレーダーに関して言うと,高額報酬だけが投資業に人を惹き付ける要因ではないと思う.

過酷な環境下でも自分だけは生き延びることが出来た,とか,皆が間違っていても自分の判断は正しかった,などを「証明してみたい」という欲望も強いのではないか.この意味でのGreedも重要だと考える.

ゼロサムゲームである点を踏まえると,高額報酬が示すものは,それだけ多くの人間が判断を誤ったにも関わらず彼は正しかった,の証でもある.

ちなみに僕の周辺ではこのTEDが少し話題に.
http://www.ted.com/talks/lang/jpn/dan_pink_on_motivation.html

2009/09/26(土) 02:54:55 | URL | [ 編集]

tamago

『Re: No title』

本当にその通りだと思うなぁ。ひりひりと焼け付くような勝負。その勝利から得られるだろう充足感。体験したことなんかないけど、きっと漫画『カイジ』みたいな、一度入るとクセになる世界なんだろうと想像してマス。だから、問題なんだと思う。カイジがあくまでも素人ジャンキーなのと同様に、そんなモチベーションでやっているトレーダーは、もはやプロとは言えないのではないかと。勝負の大小とか個人の快感なんかに囚われず、きちんと仕事をこなすゴルゴ13が、やっぱりプロフェッショナルのお手本だろうと思うわけだ。本来プロにのみ支払われるべき高額報酬が、見分けのつかない数多のアマチュアを呼び寄せていることの方が、この報酬体系のより根深い問題だと思っています。

2009/09/26(土) 09:10:17 | URL | [ 編集]

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL
http://theyoungeconomist.blog115.fc2.com/tb.php/127-89c3411c
 |  HOME  |