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ニーズという名の欲望

キーワードとして表現されるニーズは、何かを知りたい、ということばかりでは当然ない。何かを売りたい・買いたい、誰かと出会いたい、見たい・聞きたい、何としても手に入れたい、といったものからもっと禍々しい望みまで様々だ。そこには、犯罪グレーゾーンの欲望もあれば、真黒なものまでが含まれる。こうした人間の欲望もキーワードへと変換され、凄まじい勢いで検索エンジンに入力されていく。

グーグルのキーワード広告は機械的自動的に挿入されるが、そこに蓄積されていくワードそのものは経営陣も意図的に見たことだろう。そして僕は、彼らがそこに見たものを妄想する。パンドラの箱の底には希望のカケラが残っていたが、グーグルの函を開けた彼らが見てしまったのは、それこそ吐き気をもよおすほどの欲望のカタマリではなかったかと。そして二度と見ることないよう、その重い扉を永遠に閉じたのではないのかと。

僕の夢想は終わらない。そんな欲望の全てを飲み込み続けるグーグルという怪物の未来についてだ。その吸収がある臨界点を超えたとき、この怪物の身に何が起こるだろうか。僕はそこにSF的未来を見てしまう。そう、あの天馬博士が造りし世界最高のロボットの誕生を。偏った感情すなわち<憎悪>がインプットされたことでアトムが覚醒したのと同様に、憎悪も嫌悪も含めた<欲望>を飲み尽くした後にグーグルが目覚める未来のことを。日本人の誰もが待ち望んだ、優しい目をした少年型万能ロボットが、ASIMO や PINO の進化の先にではなく、実はアメリカの西海岸で、全く姿かたちを変えて生み出される日のことを。僕はそういう夢を見た。


PLUTO 8 (ビッグコミックス)
浦沢 直樹
小学館 (2009-06-30)

2010/01/22(金) | Others | トラックバック(0) | コメント(0)

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