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婚活の経済学

婚活のシリアスさ・シビアさは、所変わっても、また時が変わっても、大して変化ないものなのだろう。古代エジプトの時代から老人は「最近の若者は・・・」と憂い、男は「いまどきの女ときたら・・・」と嘆き、女は「イイ男っていないものね」と愚痴っていたのだ。これだけは間違いない。

そんな結婚も経済学の研究対象だ。決して、数学科卒CEOの専売特許ではないんだぞ。その「結婚の経済学」は、日本でも「ベッカー教授」として知られる Gary Becker の "A Theory of Marriage: Part I" (JPE 1973) をその出発点とする。

ベッカー教授、ポズナー判事のブログで学ぶ経済学

それ以来、社会学や心理学との学際研究への広がりも含め、結婚は経済学の中で一つの大きな専門分野となった。さらには、直近の数年を見ても、興味深い論文が新たに何本か出版されているので、以下にまとめておこう。いずれもお見合いパーティーや、出会い系サイトの micro data を用いた実証研究だ。

1. "Gender Differences In Mate Selection: Evidence From a Speed Dating Experiment" (QJE 2006)

2. "Racial Preferences in Dating" (REStat 2008)

上記2本は同じ著者らによるもの。実験1回で論文2本とはとても効率的なようにも思えるが、逆に2本くらい publish できないと手間ひまかかる実験などできんぞということでもあるのだろう。具体的な実験プロセスとしては、いわゆるカップリングパーティーと呼ばれるもので、集まった男女が1対1で4分間ずつ会話する。そして会話終了後に男女それぞれがお互いを「魅力的」「誠実」「知的」「楽しい」「野心的」「同じ趣味」の6項目各10点満点で評価する。それに加え、その相手と次回デートしたいと思えば、"accept"を選び、男女双方が"accept"した場合に限り、お互いのメールアドレスが交換できるというもの。そういうカップリング実験だ。

論文1の research question は、男女間で重視する評価項目に違いはあるのか、というもの。論文2の question は、デート相手の人種に対しどういう選好を持っているか、というもの。論文2は日本人としてなかなか馴染みのないものかも知れないが、結論としては、男性よりも女性のほうが同じ人種の相手を(アジア人はアジア人を、黒人は黒人を、白人は白人を)好む、ということのようだ。まぁそんなものだろう。

より興味深いのは論文1で、その結果は日本の婚活にも当てはまる部分が多そうだ。論文ではとくに「魅力的」「知的」「野心的」の3項目に焦点を当てて分析しているのだが、結論としては、
1)女性は、
・「知的」を重視
・収入も重視
2)男性は、
・「魅力的」を重視(physical な魅力)
・自分を上回るような「知的」「野心的」は評価しない

実験対象はコロンビア大学の院生(専攻は様々)なので、サンプルに相当偏りがあるのは事実だが、納得感のある結果であるように思う。男性の皆さん、頑張って知性を磨き、お金を稼ぎましょうゾ。女性の皆さん、頑張ってface も body も磨きましょうゾ。ということか、あまり目新しいとは言えないけど。この中で一番ウケるのは、自分以上に「知的」「野心的」な女性を評価しないという男性の視点だな。男の子とは、洋の東西を問わず、いつも女性より優位に立ちたいイキモノだということか。女性の皆様、そこんとこご理解よろしくお願いしますね。



2010/04/07(水) | Economics | トラックバック(0) | コメント(0)

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