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若き起業家

GQ Japan の最新号特集は、「不況知らずの若き起業家たち。」とのこと。デジタル、アートから、スポーツ、農業まで、各界でユニークな事業を展開する7人のサムライたちを特集している。でも僕にとっての「若き起業家」とは、いつだって『明治・父・アメリカ 』の主人公、星一である。1894年、横浜からサンフランシスコへ渡り、その後コロンビア大学で統計学を学ぶ。資金面や交友関係など様々な困難が降りかかってきても、いつも笑顔とやる気とアイデアでそれらを乗り越えるバイタリティには、僕まで勇気付けられるようだ。

帰国後は、国のため人のためになる事業をと考え製薬会社を起こす。それが星製薬。製造プロセスの近代化に積極的に取り組み、当時リスキーと考えられていた新商品の開発にも果敢に乗り出す。星の読みは当たり、情熱は結実し、事業は飛躍的な成長を遂げる。そして彼は、星薬科大学の創設者としても歴史に名を残すこととなった。しかし、その成功をやっかむ競合が現れる。規制緩和を求める星を毛嫌いする官僚が立ちはだかる。そんな競合と官僚が手を組み、次第に星を追い詰めていく様は、続編『人民は弱し 官吏は強し』に詳しい。著者はその息子であり、ショートショート作家の星新一。

ソフトバンク孫正義が自分が登る山を「デジタル情報革命」と決めたように、星一は自分の一生をかける舞台を「製薬」に定めた。いずれも志高く、そしてその高さゆえに競合に妨害され、官僚に邪魔される。若き日にアメリカで掴んだチャンスや、困難をものともしない行動力、そして周りから愛されるキャラクター。星と孫に相通じるものを見るたびに、そしてソフトバンクのこれまでの軌跡を通じて、僕は改めて星一が明治の時代に起こした「革命」のインパクトの大きさを思わずにはいられないのである。


明治・父・アメリカ (新潮文庫) 人民は弱し 官吏は強し (新潮文庫)



2010/04/19(月) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

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