敗者の演説としては、マケイン上院議員の敗北宣言も記憶に新しい。結果としてはオバマに完敗、ブッシュ現大統領の不人気や、金融危機議論の再燃等、マケインにとっては逆風が強かったとはいえ、無念の思いは相当だろう。とくに、年齢的にも大統領選出馬が今回が最後であっただけに。しかし、マケインはそんな素振りすら見せない。
オバマの勝利を祝福するマケインに対し、当初ブーイングする聴衆。それを制するマケインの姿勢や、アフリカ系アメリカ人にとっての意味に言及する内容、選挙直前で亡くなったオバマの祖母に対する哀悼の意等、負けてなお立派な演説だ。
ヒラリーとマケイン両議員の演説を聞いて思い起こしたのが、沢木耕太郎の『敗れざる者たち』
と『一瞬の夏』
だ。この中では、勝てなかったスポーツマン達の物語が紡がれている。確かに「勝ち」はしなかったかも知れないが、それでは彼らは果たして「負けた」のだろうか、そう問いかけてくるノンフィクションだ。沢木の力強い筆致が魅力のスポーツノンフィクションの中でも、強烈な輝きを放っており、一気に読み終えた日のことを思い出す。政治とスポーツの違い、有名・無名の違いはあるものの、ヒラリーやマケインもまた「敗れざる者たち」なのではないか、そんな思いを抱いた。
オバマの勝利を祝福するマケインに対し、当初ブーイングする聴衆。それを制するマケインの姿勢や、アフリカ系アメリカ人にとっての意味に言及する内容、選挙直前で亡くなったオバマの祖母に対する哀悼の意等、負けてなお立派な演説だ。
ヒラリーとマケイン両議員の演説を聞いて思い起こしたのが、沢木耕太郎の『敗れざる者たち』
2008/12/24(水) | President | トラックバック(0) | コメント(0)