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北陸の女子力

『うめめ』でデビューを飾った梅佳代は、インパクトの強い写真の数々と、よくこんな瞬間に居合わせたもんだという率直な感想から、日常の「決定的瞬間」を捉える写真家と形容されることも多い。でも彼女の写真の本質は、それとはそれこそ決定的に異なるものであるように僕には思えていた。そう僕が感じていたズレは、彼女が『うめめ』に続けて放った第二作『男子』によく現れている。この写真集は、予想を遥かに超えたデビュー作の商業的成功をもとに、そのご褒美の意味も込めて、結構本人が自由に作らせてもらったのではないだろうか。決して万人受けはしないテーマと、それ以上にクセのあるコンテンツにそういう匂いがする(笑)。でもだからこそ、そこに収められた写真の一枚一枚には、「男子はばかで、無敵で、かっこいい」と言う彼女ならではの視点が満ちているのだ。本作に関しても、やっぱりほぼ日の対談が面白いね。

で、僕自身もなぜ彼女だけがこういう写真を何枚も撮れるのだろうか、とずっと疑問に思っていたのだ。だけどついに気づいた。色々なインタビュー記事を読み、そして直接話す機会を得て。結論から言おう、それは彼女自身が「女子」だからだ。二十代後半になっても彼女を覆う雰囲気と持っている気持ちは、9歳の「女子」そのままだ。だから公園に行けば、「男子」たちに囲まれ、こづかれ、泣かされる(笑)。そう、僕ら男子がちょっかいを出したくて仕方ない女の子というのは、いつも気になっていたクラスの「女子」だったではないか。だから彼女がその心を持ち続ける限り、シャッターチャンスが尽きることはない。だってそんな彼女を腕白男子たちが放っておくはずがないのだから。梅佳代にとってのチャンスはいつも向こうからやってくる。その意味でもやっぱり彼女の写真は、彼女自身にとっては決定的なものなんかではなく、ごくありふれた日常の一コマなのである。


男子


2010/06/27(日) | Japan | トラックバック(0) | コメント(0)

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