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編集者・松家仁之

それにしてもなぜ村上春樹は、ここまで語ろうという気になったのだろうか。僕の好きな映画監督に寡作の監督がいる。彼は、映画を撮るのは「その季節が来たとき」(だけ)なのだと言う。村上春樹にとっても同様に、語るべき季節がやってきたということなのかも知れない。もちろんなぜその季節が訪れたのかは、いつ冬が終わり春が訪れるのかという問いと同じく、正確な答えなどないのだろうが。ただ一つ確実に言えるのは、この聞き手だったからこそ、村上春樹もここまで語ったのだろうということだ。

雑誌『考える人』編集長、松家仁之。それが今回の村上春樹ロングインタビューの聞き手だ。編集者として彼が手がけた作品に、沢木耕太郎『血の味』や柳井正『一勝九敗』がある。それは、僕が愛読する(ノンフィクション作家)沢木耕太郎が初めて挑んだ長編小説であり、成長著しいユニクロ経営者が初めて語った経営哲学である。それらを見るだけでも、彼が名編集者として業界内で名を知られていたというのがよく分かるようだ。

そして、そんな彼に対するジュンク堂書店のインタビューがまた素敵だ。いい顔をしている。行間からもいい空気が流れてくる。僕はすぐに、この人が好きになった。とくにユニクロ柳井社長に手紙を送るくだりがいい。僕は、男が男に向けて書くそんなラブレターがとても好きなのだ。

本を、読む。
この本好きだな、と特別心に残る本のあとがきに、決まって同じ編集者への謝辞がある、そんな経験はありますか?
まるで、次に自分が何を読むかわかっているように、「その人」は私を待ち構えている。
もう逃げられない!

ジュンク堂の店員から、そんな通報がありました。
「その人」の名は、松家仁之(まついえ まさし)。




2010/09/29(水) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

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