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理解を深める2冊

渡辺靖の前2作はいずれも興味深く読んだ。その面白さは、ボストンの特権階級といった「知らない」世界を見せてくたことや、アメリカ全土にある「極端な」コミュニティを紹介してくれたことにある。とくにボストン調査は、間口は狭く、奥行きは深く、素晴らしいリサーチだったと思う。

一方で、既に知っていることも含め、より体系的にアメリカ現代社会を知りたいという気持ちもある。そんなときに役に立ったのが次の2冊。『現代アメリカのキーワード』では、81のキーワードをもとにアメリカ現代社会が解説されていく。ぱらぱらと読んでいくのも面白いし、クラスメイトとの会話で話題に上ったことを後から確認するのにも役立つ。

個人的に、アメリカ生活の中で関心を持つようになったのが、「家族観」というものだ。そこには、大統領選挙でも争点の一つになった中絶の是非や、養子縁組の問題も含まれる。親しくしているアメリカ人夫婦には残念ながら子供が産まれなかった。そして彼らは養子を授かった。最初の子は黒人の赤ちゃん、本当にかわいがっていてもう一人欲しくなったのだろう、翌年にもう一人、トルコ系の顔だちをした赤ちゃんを養子にした。白人のお父さんとお母さん、アフリカ系の長男、トルコ系の次男。目の色、肌の色、髪の色、全く違っても仲良し家族だ。日本では見かけることのないそんな光景が、ここには普通にある。

本書にあるキーワードが、「アメリカの家族ってそうだったのか!」と一発回答を与えてくれる、なんてことはない。ただ、そのキーワードを眺めているだけでも、アメリカにある様々な考え方に触れることができ、そして種々の論争についても、ちょっぴり理解を助けてくれる、そんな一冊だ。

「そうだったのか!」が欲しいときは、やはり池上彰の出番だ。さすが「週刊こどもニュース」のパパ。いちいち解説が分かりやすいゾ。手元にはアメリカ編しかないのだが、その他の世界史や日本史を含め、思わず「大人買い」で揃えたくなるようなシリーズだ。


現代アメリカのキーワード (中公新書) そうだったのか! アメリカ (集英社文庫)




2008/12/31(水) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

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