若き経済学者のアメリカBooks ≫ ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』

ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』

「クーリエ・ジャポン」の集中講義に登場したジャレド・ダイアモンドは、UCLAの進化生物学者だ。訳書にも『人間はどこまでチンパンジーか?』『セックスはなぜ楽しいか』などの著作がある。ただし、彼の知的好奇心は生物学にとどまらない。言語学や歴史学の知見も合わせて編み上げた歴史的大作が、ピューリッツァー賞を始めとする数々の賞を受賞し、各方面から絶賛された『銃・病原菌・鉄』である。


銃と軍馬―― 16世紀にピサロ率いる168人のスペイン部隊が4万人に守られるインカ皇帝を戦闘の末に捕虜にできたのは、これらのためであった事実は知られている。なぜ、アメリカ先住民は銃という武器を発明できなかったのか?彼らが劣っていたからか?ならば、2つの人種の故郷が反対であったなら、アメリカ大陸からユーラシア大陸への侵攻というかたちになったのだろうか?否、と著者は言う。そして、その理由を98年度ピューリッツァー賞に輝いた本書で、最後の氷河期が終わった1万3000年前からの人類史をひもときながら説明する。はるか昔、同じような条件でスタートしたはずの人間が、今では一部の人種が圧倒的優位を誇っているのはなぜか。著者の答えは、地形や動植物相を含めた「環境」だ。



ヨーロッパ人が世界に植民地を広げていくことができたのは、植物や家畜そして他文明との交易路に恵まれたからだという著者の結論は、「ヨーロッパ人が優秀だったから」と考える層からは大きな反発を受けることになる。壮大な人類史を描き切ったという点だけでなく、激しい議論を巻き起こしたという点でも注目された大作だ。本書はその後、ジャレド・ダイアモンド監修ナショナル・ジオグラフィック製作のドキュメンタリー番組にもなった。こちらも良質の番組となっているので、合わせてリンクを貼っておく。



<ドキュメンタリー動画 "Guns Germs and Steel" へ>
Episode 1: Out of Eden
Episode 2: Conquest
Episode 3: Tropics



2010/09/11(土) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

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