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エリートと法律とロースクール

二年前に初めて会ったときは学部2年生だったアスカも、来学期にはいよいよ卒業を迎える。早いものだ。そんな彼女は卒業後、ロースクールへ進むことを決めた。もちろん具体的な進学先は今後の合否結果によるわけだが、彼女ならきっとサクラサク報せを受け取ることだろう。

しかし、そんなアスカも意外にミーハーな一面があり、1年くらい前には、卒業後はファッション関係に進みたいなんて言っていたっけ。日本語のクラスと並行してアートやパフォーマンスの授業も取っているように、確かにその方面への関心は強いようだ。でも、最終的にロースクールを志望すると聞いてとてもほっとするものがあったのは、僕だけではなく、あの強面のお父上もきっと同じではなかろうか。アーティストとして活躍するアスカの姿はあんまり想像できないんだが(苦笑)、法曹界を颯爽と駆け抜ける彼女はクリアにイメージできる。

日本もアメリカも同じだが、国づくりを担う社会的エリート層は法学部出身者が多数を占める。しかしその度合いはアメリカの方が数段強い。それはこれまでの大統領のバックグラウンドに顕著に現れているし、また初のMBA大統領として注目を集めたブッシュ・ジュニアの(低)実績も、「やはり指導者はロースクールから」という思いをアメリカ国民に強く再認識させたのではないだろうか。

以前書いたように、「地」や「血」から成り立った nation ではなく、人工的に造り上げた states であるアメリカにとって法律と順法ほど重要なものはない。一方で、人種・宗教・言語・ジェンダーと様々な面において共通軸が薄れ、分断が深まりつつあるこの states において、かつてこれほどまでに合意形成が難しい時代を迎えたことはないだろう。そして今後も数々の衝突が増えていくと予想される中、法律というルールのみならず、「ルールを作るルール」自体にはさらなる困難が伴う。だからこそ、そこに挑戦しようというアスカの勇姿に、僕はアメリカという国家そのもののチャレンジを見るような気持ちになるのだ。




2010/12/21(火) | America | トラックバック(0) | コメント(0)

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