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アメリカ経済学ジョブマーケット

以前にも書いたが、アメリカの1月はジョブマーケットの季節。今年はデンバーで1月6-9日まで開かれたアメリカ経済学会では、ジョブキャンディデイトの面接も行われる。その後各大学が目ぼしいキャンディデイトを直接大学へ招き(フライアウト)、セミナー発表を兼ねた最終選考となる。もちろんこれは米国内に閉じた話しではなく、ヨーロッパやアジア・オセアニア等も含めたグローバルなアカデミック市場の話なので、この時期相当数のPh.D.生が文字通り世界の空を飛び回っているわけである。これが2月半ば頃まで続くのだが、合計で半年をかける長丁場の就職活動を見ていると、それこそアメリカ大統領選挙を想起してしまう。メディアが大統領候補に対するのと同様に、各大学がPh.D.生の身体検査とスキャンダル探しに血眼になっている、なんてことは当然ない(と思う)のだが、長く続くストレスへの耐性を見極めている、くらいのことはあるんじゃないかしら?

さて、そんなジョブマーケットは凡そ次のようなスケジュールで動いていく。


9-10月:決定と準備

9月の新学期が始まるのと時を同じくして、ジョブマーケットも動き始める。学内会議において今年のマーケットに出ることが正式に決まると、各学生は慌しくその準備にとりかかる。ジョブマーケットペーパーの完成を急ぐのはもちろん、指導教授およびその他への推薦状の依頼、レジュメの作成、そして個人ウェブサイトの公開等。細かい手続きも多く、スタートアップはやはりなかなかに大変(そう)。

10-11月:論文完成と発送
この時期、学内のプレゼンテーション等を経て、論文執筆および発表の仕上げを行う。と同時に、アプライ先(大学・政府系機関・民間企業いずれも)を選定し、必要資料一式を送付。応募し終わり煩雑な事務手続きからようやく解放されたという安堵感と、いよいよ面接が近づいてきたんだというリアルな緊張感が程よくブレンドされる(らしい)。

11-12月:最終チェックと連絡待ち
指導教官とのミーティングや学内発表を通じ、プレゼン(スライド及びトーク)を完成までもっていく。サンクスギビング前後から、アメリカ経済学会での面接に呼ばれる連絡が届き始める。連絡数が少ないと本気でへこみ、逆に多いと「採用する気もないのに呼びやがって」と怒り出す(人もいる)。多くの人がここで、ストレスの最初のピークを迎える。クリスマスは嵐の前の最後の静けさ。

1月:面接@アメリカ経済学会
面接といってもセミナールームのようなところでやるわけではない。そう、事件は会議室なんかで起こっているんじゃない、ホテルで起きているのだよ。だからこちらはベッドの端に腰掛けて、3-5人の面接官はソファや椅子にばらばらに座っているような状況でトークすることにもなる。そんなシーンに思わず力が抜けてしまった、なんて話は聞かないけどね。

1-2月:フライアウトと最終結果
1月からは各大学で新学期が始まる。学内で姿を見ない学生は今頃フライアウトで飛び回っているのだろうと想像できるし、逆によく見る学生はまぁそういうこともあるだろうと空想する。ストレスの第二のピーク。フライアウト先でも休まる暇はない。朝からその大学の研究者と一対一での面談が、次から次へとセミナー直前まで続く。そしてセミナー終了後のディナー。採用に前向きな嬉しい発言があっても最後まで気を抜かず、ワインはグラス一杯まで(?)。いずれにしても、半年かけて取り組んできたジョブマーケットもいよいよ最終コーナーだ。オファー獲得を目指し頑張って欲しい。




2011/02/01(火) | Economics | トラックバック(0) | コメント(1)

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Suzuka

『No title』

これは面白いね。(いつも面白いけど)ナイスレポート。

2011/02/07(月) 01:40:55 | URL | [ 編集]

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