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研究者とのカジュアルトークに学ぶ

先学期から何度か、セミナー発表者と学生数名とでランチに行く機会を学部側がセットしてくれている。若手アシスタントプロフェッサーが来たときのことが多いのだが、これは大変に有難い。彼らがわれわれ学生側に、いまどういう研究に取り組んでいるかと問いかけて会話が始まることが多いため、まず第一に、自分の研究内容を手短にポイントだけ的確に伝えるという極めて効果的なトレーニングになるのだ。

相手と自分との専門が必ずしもオーバーラップしないわけだから、相手のリサーチトピックやこれまでにパブリッシュした論文、そして現在のワーキングペーパー等の状況から、どの程度まで literature を共有しているのかは事前に予想しておく。そして、相手が次にスペシフィックな質問をするのに必要十分な情報を提供することを考え返事をするようにしている。

他の学生もいるわけだから、僕がだらだらと自分のことばかり喋るわけにはいかない。だから、一回当たりの発言量は短く、しかし相手に興味をもってもらい次の質問をもらえる程度には面白く、そういうバランスを考えながらの会話となる。エレベーターピッチとまではいかないだろうが、それでも情報のエッセンスだけを取り出して伝えるという技術(英語面含め)を学ぶには、またとない機会となっているのだ。

第二に得られるものとして、その研究者からの直接のフィードバックがある。これは研究者のパーソナリティにもよるかと思うが、学生の話をその程度のものとして聞き流す人もいれば、真摯に聞いてくれる人も多い。今週ランチをご一緒した人などはまさにその後者の例で、僕の話も素早く理解し、的を射た質問を通して、今後どう improve できるかというサジェスチョンまで丁寧に対応してくれた。アドバイザーとは異なる観点からのコメントに、大変有難いことだと感謝。

そして第三に、こうしたランチというカジュアルな場での会話を通して、研究者のマインドや姿勢といったことを学ぶことも多い。例えばその今週来た彼などは、学生の話にすら真剣に耳を傾けてくれたことが示すように、恐らくは彼が所属する学内においても同僚と日々お互いを尊重し刺激し合っているのだろうと思われる。そしてそのことは実際に、彼が共著者も多く、Ph.D.取得後数年の若手にしては論文数が多いことにも現れているように思うのだ。確かに、学生から見れば彼のような教授にぜひいろいろとアドバイスして欲しいと思うところであるし、そして同僚から見れば意見交換したいと思わせる人物なのであろう。彼と話していると、inspire され energize される、そういうスマートさとパーソナリティにとても惹かれるものがあった。

そんな彼の人柄は研究以外の話にもあらわれていた。ジョークとまではいかないんだけれども、ちょっと面白い話をちょっと可笑しく話せる、そんな感じが控え目に上品で素敵だ。大げさなアメリカンジョークがちょっぴり苦手な僕みたいな人には、彼くらいの小ぶりの話の方が好感が持てる。僕自身が今後カジュアルトークで目指したいなと思えるイメージであり、そういうロールモデルを見つけられるという点でも、こうしたランチの機会があるたびに積極的に参加させてもらっているのである。もちろん言うまでもないが、ファカルティクラブでフリーランチに与れるというメリットも計り知れない(笑)。




2011/03/19(土) | Economics | トラックバック(0) | コメント(0)

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