若き経済学者のアメリカEconomics ≫ 統計学の夏期コース、始まる。

統計学の夏期コース、始まる。

さて、いよいよ始まった夏期授業。さすがに初日は緊張した。プレゼンが最初の1分でその成否が決まるように、数週間の集中講義として教えることとなった統計学の授業も、間違いなくこの初日、そして最初の数分が勝負になる。そういう思いで、それなりの準備をしてきたつもりだが、それでも不安を完全に消し去ることはできない。

ハーイ、とか言いながら陽気を装いつつ教室に入る。オレに集中する視線、流れる脇汗。「こいつが講師か」「アジア人かよ」「英語しゃべれんのか」、そういう学生の心の声が全て耳に入る(という妄想)。もちろんそれもシミュレーションの範囲内ではあるが、緊張はさらに高まるワケである。負けらんねぇ、とね。

まずはシラバスを配り、ざっと授業の概要を説明する。指定した教科書、カバーするトピック、宿題や試験の日程等々を確認する。教室の空気が若干凍りついたのが、何をどれだけ評価して成績を決定するのか、その grading policy を説明したとき。「え、試験の配点高くね?」「出席点も評価してよ」という不満が渦巻く(という空想)、それも当たり前のように想定の通りである。

「試験は教科書・計算機等の持ち込み可です」と伝えると、教室に充満していた不安が一気に消え去り、「なんだ楽勝科目じゃん」という安堵が伝わってくる(という連想)。それを前提とした試験内容になるなんていうことは、今の段階で言う必要は全くない。

そういう諸々の手続き面の説明を終え、本題に入るここからが本当の勝負である。そう、気分はまさに大統領の就任式 inauguration である。ちっぽけではあるがこの舞台で、オレもそれだけのスピーチをしなくてはならないのだ。誇りを持ち、威厳を示し、そして親しみやすく。そういうほぼ不可能な条件を自分に課しつつも、オレは高らかに謳いあげる。統計学というものが、いかにセクシーであり、いかにファンシーなのかをね(笑)。

呆気に取られ、ぽかんとする聴衆。だがそれも仕方あるまい、彼ら彼女らの年齢にしては刺激が強すぎたのかも知れない。翌日の授業から早速ひとりの学生が姿を見せなくなったのは全くの想定外だったが(笑)、これも受け入れざるを得ない現実だろう。現ソフトバンクの創業当時、孫正義がみかん箱の上に立ち、全社員(=アルバイト2名)の前で全国制覇の夢を語ったところ、さっそく次の日からそのアルバイト達が来なくなったという伝説的エピソードが頭をよぎる。

僕が受け持つこととなった今年の統計学の夏期授業は、こうして極めて順調に(?)スタートしたのだった。




2011/06/15(水) | Economics | トラックバック(0) | コメント(0)

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