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Facebook No.2 シェリル・サンドバーグと人の才能に気づく才能

同じ号の The New Yorker "A Woman's Place" は、 フェイスブックのCOO、Sheryl Sandberg に関する記事。昨日の記事よりこっちの方が断然面白い。

27歳のトップ Mark Zuckerberg を、No.2として支える42歳の彼女に対する周囲の評価は、先日の The Economist の記事にもあるように極めて高い。アメリカの次期財務長官の候補として名前が挙がる他、将来の大統領とも目されている。

マスコミやウォール・ストリート、政府等との対外コミュニケーションのみならず、社内人事等まで一任できる彼女を採用したこと、しかもGoogleから引き抜いたことは、もしかすると Zuckerberg にとってのこれまでのベストジョブと言えるものかも知れない。そんな凄腕のプロフェッショナル達を仲間にしていった様子は、ドキュメント『フェイスブック若き天才の野望』が詳しい。しかしそれは同時に、Facebookが現在抱える最大のリスクは、Google+の急速な普及といったことなどではなく、Sandberg が同社を離れることと言えるのではないだろうか。

一方で彼女が同社に残り続けた場合の最大の懸念は、「若き創業者」と「大人のマネジメント」の摺り合わせだろう。それが両立した際のパフォーマンスの高さと、一瞬でバランスを崩す危うさは、アップルにおけるスティーブ・ジョブズとジョン・スカリーの蜜月と決裂にも見てとれるだろう。Zuckerberg の起業家精神をジョブズに重ね合わせる Sandberg は、自身をスカリーに照らし合わせたりするのだろうか。

という外野からの噂話はさておき、僕が The New Yorker のこの記事で最も印象に残ったのが、Lawrence Summers の人を見る目。彼は、Sandberg がハーバード経済学部の学部生だったときから彼女の才能に気づいていた。クラスで発言したり手を挙げることもなかった彼女だが、サマーズのクラスでは最優秀の成績をとる。サマーズは彼女の卒論を指導した他、世界銀行チーフエコノミストになれば彼女をリサーチアシスタントとして採用し、財務長官に就任すれば今度はチーフスタッフとして彼女をワシントンに呼び寄せる。同記事の中でも当時を回顧しながら彼女の優秀さをベタ褒めしている。

コミュニケーションスキルやマネジメントスキルといった、「スキル」として優れた才能ももちろん素晴らしいものだが、それを含めた人の才能を見抜く才能というのは、本当に priceless なものだな。

P.S. サンドバーグのTEDおよび大学卒業式でのスピーチもぜひどうぞ。


フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)




2011/08/01(月) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

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