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アカデミックライティング: "They Say, I Say"

ライティングの授業は学部生向けのものしかないが、今学期はどんなテキストを使っているのかと思い、ちょっと調べてみた。レベルに応じ講師も変え、いくつかのテキストが並んでいたが、やはりいつも通り定番なのは、"The Elements of Style" と "On Writing Well" である。マンキューが書いているように、経済政策に携わる官僚にも課した必読書だ。


The Elements of Style, Fourth Edition On Writing Well, 30th Anniversary Edition: The Classic Guide to Writing Nonfiction

それ以外にも、自分なりに探したり、友人知人に勧められたりしてよかった書籍は以前リストアップした通りだが、今回新たに発見したのが、"They Say, I Say"。カジュアルな書名にカラフルな表紙デザイン、そこに「アカデミック」な臭いを嗅ぎとるのは少々難しい。しかしサブタイトルが "The Moves That Matter in Academic Writing" となっているように、見た目に反し、その内容は極めてしっかりしたものだった。現在のものは既に第2版を数えており、USアマゾンでの評価も高い。今まで全く知らなかった本だなあという気持ちで手にしたのだが、これが非常にイイ。ライティング関連書では久しぶりにいいテキストに出会った感がある。


They Say/I Say: The Moves That Matter in Academic Writing


本書のポイントは、以下の一文に尽きる。"summarize what others have said (“they say”) to set up one’s own argument (“I say”)"。すなわち、論文のイントロダクション等の書き方にとても効果的。自分自身の研究が literature の中にどう位置づけられ、そして類似研究とどう差別化されているのか、その書き方を具体的なテンプレートで例示しつつ解説していくのである。だから極めて実践的。経済学だろうとその他の分野だろうと、専門を問わずに使えるアカデミックライティングの良書だと思う。

こういうお手軽に見えるテンプレートを嫌う人も多いかも知れないが、僕は個人的には前にも書いたように、英文を書く際には Structure と Style という「型」を意識して書くのが最も単純・簡単でその上効果も大きい思っている。だとすれば、身に付ける型(テンプレート)は多ければ多いほど強力なアドバンテージになる。

さらには、英文を見直す際には「メロディとリズム」を意識するようにしている。その視点で見ると、本書で紹介される they say, I say の書きぶりは確かに悔しいほどに滑らかであり、これまで読んできた論文の中で見た「うまい書き方だなあ」と唸った文章にも近いのである。

そして、論文イントロ以上に役立つのが、外部リサーチファンド/グラント等へのプロポーザルだろう。すなわち、自分の専門分野に縁がない人も書類審査に加わるという状況において、いかに general audience にも「なるほど」と思わせる書き方ができるか。そんなシーンでも大いに役に立つだろう書き方が示唆されている。そういう機会がある人にとっても間違いなく、must read な一冊である。








2011/10/07(金) | English | トラックバック(0) | コメント(0)

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