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アメリカ合「州」国: 州境の歴史

History Channel の "How The States Got Their Shapes" が面白い。Mark Stein の手による同名の原書は全米ベストセラーとなり、昨年にはその続編まで出版されたものだ。その中では、アメリカ各州のボーダーラインが何故あのような形に、そしてどのようにして決定されたのか、知られざる歴史に焦点が当てられる。トリビア的な意味でも興味をそそる内容なのだ。

そこには清教徒やアーミッシュを含めた「宗教」の問題、政治的対立からくる「紛争」の歴史、そして勝者が優位に進めた「交渉」の経緯が全て詰まっている。例えば、番組内でも詳しく紹介されるユタ州。僕らはその州都ソルトレイクシティが、共和党の大統領候補ミット・ロムニーが信仰するモルモン教の聖地であることは知っている。しかし、なぜ彼らはこの地に居を構えたのか、そしてなぜユタ州はあのように正方形に近い形をしているのか、それがこの回の "How Utah Got Its Shape" というクエスチョンである。

それ以外にとくに興味をひくのが、アメリカ独立時の東部13州。対英戦争では一致した各州も、その州境をめぐっては議論が紛糾する。メリーランド・ペンシルバニア・デラウェアによる海と港を巡る争い、ニューヨーク・コネチカット・マサチューセッツの土地争奪戦、そしてポトマック川沿いに100平方マイルの首都建設を委任された初代大統領ジョージ・ワシントンがどんな戦略的視点で立地を決めたのか等々、「アメリカ」とは一括りにできないほどの内輪の闘いがこれでもかと描写される。

もう一つの読みどころはゴールドラッシュに湧いた米国西部のそれこそ金脈を巡る醜い争い。だから、カリフォルニアはあれだけ広大な面積を持ち、ネバダやコロラドはあのように区画整理され過ぎたような州境が引かれたのだと納得できる。

アメリカの歴史に興味があれば、そして一般的なテキストとは違った角度からその歴史を眺めてみたいなら、とてもオススメの二冊だと思う。


How the States Got Their Shapes How the States Got Their Shapes Too: The People Behind the Borderlines




2012/06/27(水) | America | トラックバック(0) | コメント(0)

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