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フットボールの統計学

数多くのスポーツの中でも、野球とデータの相性が抜群によいのは『マネーボール』で描かれたとおり。しかしもう一つの人気スポーツであるサッカーの世界では、データ分析はまだまだ発展途上。野球界でセイバーメトリクスという言葉が定着したことと比べると雲泥の差だ。関連書では、"Soccernomics" (邦訳『「ジャパン」はなぜ負けるのか』)が「『マネーボール』のサッカー版」と形容されるように、確かに面白い内容である。




しかしその他には、以前書いたように "Scorecasting" (邦訳『オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く』)の中でいくつかサッカーの話題がある程度。



そんなサッカー界におけるデータ分析の現状を取り上げたのが先月のWSJの記事。野球と比べた場合のサッカー特有の難しさを次のようにまとめている。

a limit to the use of data in a free-flowing game like soccer, as opposed to baseball, where events can be isolated and statistically adjusted.



そこに果敢にチャレンジしているのが、イングランド・プレミアリーグのリバプールだ。米国メジャーリーグのボストン・レッドソックスのオーナーがリバプールを買収したことで、レッドソックスで成果を上げた "data-driven approach" がリバプールにも導入されたのである。果たしてデータを駆使した戦略がサッカーそしてリバプールでも同様に威力を発揮するのかどうか、それは少なくとも今シーズンが終わるまでは何とも言えないだろう。

6試合が過ぎた現在、リバプールはリーグ5位につけている。昨シーズンを6位で終えたことを考えると、新たなチーム運営手法が即効薬となっているとは言い難い。そしてリバプール自身も、チームに対する各選手の貢献価値を明らかにするアルゴリズムをまだ見出せていないことを認めている。その点でも、野球に比べた際の発展の遅さは否めないだろう。しかし、だからこそ、そこには統計学を学ぶ者・使う者にとってのビジネスチャンスもあるわけだ。明日の"winning formula" をいち早く見つけるのは、ひょっとしてオレかも知れんな(笑)。


【追記】
関連記事として、
1.フットボールの統計学: Manchester City が開く新たな時代
2.フットボールの統計学: Manchester City 続報
3.サッカー監督の経済学



2011/09/30(金) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

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