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世の中を動かす、動かぬ数字たち

昨年末に書いた、フィボナッチ数列。本書 "Cosmic Numbers" はそれに負けぬ面白さを持ったサイエンス書である。フィボナッチ同様に数字を扱ったものだが、数学ではなく物理・化学・生物等が明らかにしてきた自然界の定数が本書の主役である。距離を測る、重量を量る、時間を計る。そんな単純な行為が、サイエンス上それほど簡単なものでないというのは、どこを・何を・いつを基準にすればよいかをまずは定義しなくてはならないからである。サイエンスがこうした厳密さを確保するためには、その基点となる数字、動かぬ数字が必要だ。それが書籍の中で展開される13の定数である。

著者が自ら述べるように本書は『宇宙を支配する6つの数』から大きく影響を受けている。着眼点はどちらも同じなのだが、"Cosmic Numbers" の方が幅広い分野から多くの定数を集めてきている。

その中には光速c、 重力加速度gと万有引力定数G、アボガドロ数、絶対零度、プランク定数等のよく知られた定数が並び、そういえば昔々中学や高校の授業で習ったなあと懐かしい記憶が呼び起こされる。もちろん本書のテーマは、こうした定数がなぜ重要なのか、当時のサイエンティストがどう解明に取り組んだのかという点にあるため、専門外であっても、そして当時の授業内容をすっぽり忘れてしまっていても、とても面白く読めるノンフィクションである。

個人的には、こういう書籍は中高生の夏休みの課題図書くらいにしたらいいと思う。本格的に物理や化学を学び始める前に、科学史に残るロマンとドラマを知っておくというのは、極めて効果的にモチベーションを高める方法と言えるだろう。こういう本を実際に僕が当時読んでいたら、ひょっとしたら経済学には進んでなかったかも知れんよねえ(笑)。


Cosmic Numbers: The Numbers That Define Our Universe 宇宙を支配する6つの数 (サイエンス・マスターズ)




2012/03/19(月) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

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