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原研哉『日本のデザイン』と『デザインのデザイン』

『デザインのデザイン』の著者・原研哉の新著『日本のデザイン』を読んだ。著者が東日本大震災を機に、「ものづくりの行方、暮らしの行方、観光やホスピタリティ産業の行方、そして少子高齢化を迎える社会の行方について(中略)実践的に書いた」一冊である。プロダクトデザインそして社会デザインに興味がある向きには必読の書と言えるだろう。

日本のデザイン――美意識がつくる未来 (岩波新書) デザインのデザイン

感じ入るところはいくつもあるのだが、あらためて印象に残るのが、彼がたびたび言及する高野孟のパチンコ台と日本文化論。こういう大胆な仮説はなかなか思い浮かばない。一方で、そういう歴史的な経緯もさもありなんと思わせるロマンも兼ねあわせ、大変に魅力的なストーリーである。日本文化のルーツそして将来を考えるにあたり、間違いなく大きな刺激となる一冊と言えよう。


これは僕がよく例に挙げる図で、高野孟(たかのはじめ)さんの「世界地図の読み方」という本を参照したものですが、ユーラシア大陸を90度回転させてみますと、ユーラシア大陸はパチンコ台に見立てることができます。そうすると、日本はちょうど受け皿の位置にきますね。一番上の方にはローマ。文化はシルクロードを通って、中国、朝鮮半島を経て、日本に文物が伝わったと、一般的には言われていますが、当然パチンコの玉は跳ね回りながら進みますから、ある一定のルートからだけではなく、いろいろな方向を進みます。文化もそうじゃなかったかと思うんです。インド経由で東南アジアから海のシルクロードを通ってきたものも当然あるだろうし、ロシアのほうからカムチャツカ半島や樺太を経て入ってきたものもあると思います。椰子の実のように、ポリネシアの方から漂着したものもあるかもしれない。つまり、日本というのは世界中の文物の影響にさらされてきたのです。

世界は「複雑」からできあがっていますから、インドネシアのものが漂着しても、中国のものが漂着しても、みんな「複雑」です。強い国は、その威を稠密な文物にたくしてよこしてきますから、端っこの日本にはそういうものが集まりやすい。日本人も唐物とか到来物とかいってそれを珍重しました。だから元来、日本はカラフルも好きだし、ゴージャスも好きだし、唐草模様も大好きでした。正倉院をみるとそんなものだらけです。それを大事にとっておいて、そこから複製をいっぱいつくって影響を受けて生きていたんです。だから、日本の文化も結構「絢爛」だった。

そこに、あるときから急に「簡素」ができてきた。なぜかというと、ある時期に革命的なリセットが起こったからなんです。その大きな要因が「応仁の乱」だったのです。






2012/03/07(水) | Art | トラックバック(0) | コメント(0)

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