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留学のツラさとキツさとシンドさとサミシさ

3月の最終週は、キャンパスビジットの時期。今年合格した人を学部に招き、教授や在学生との交流を通じ、ぜひうちに来てねとアピールするイベントである。今も変わりなければ、合格者は4月15日までに進学先を決め報告することになる。

さて日本から留学する場合には、どの大学に行くかと同時に、そもそも留学すべきなのかという判断も大事になると思う。以前にも書いたが、留学しないという決断というのも、僕は個人的にはとても大事なものだと思っているのである。

というのも、僕自身はまったく予期しなかったことなのだが、「アメリカ」「留学」「つらい」「辛い」「ツライ」といった検索キーワードのコンビネーションで、このブログに来てくれる方が結構な数いるのである。びっくりしたのは3点。(1)オレ、そんなキーワードで何か書いたことあったっけ? (2)そんなにツライのか・・・。 (3)でもそれって留学前に想像できたことなんじゃないだろうか? ということ。

一点目に関しては、どうやら以前に書いたこのエントリが検索キーワードにヒットしてしまうようなのだが、再読しても分かるように、その検索語で想定する内容とは正反対のもの。こういうところにキーワード検索の限界を感じ、だからこそより高度な検索技術の可能性を感じるよね。

二点目は、すでに留学して現在つらい真最中の人と、留学ってつらいんじゃなかろうかと事前検討中の人の二種類があるのだが、おおよそ半々といったところ。もしまだ間にある方であれば今のうちに要再検討であろう。真最中の方に対しては、検索ワードと正反対の内容でゴメンなさい、としか言いようがない。

三点目。留学って昔も今も、そもそも辛くて孤独なものだと思う。連絡手段が限られていた昔よりも、ニュース・ドラマも現地で見ることができて、フェイスブックやツイッター等で友人の近況が簡単に分かる現代のほうが、ひょっとすると疎外感は強いかも知れないよね。

そういうことを踏まえ、留学に際してできることというのは、「最悪のシナリオ」を想定しておくことではないだろうか。年齢的にも大事な時期に日本を離れ、留学先で友達はできず、日本人コミュニティにも溶け込めない。食事は不味く、娯楽も少なく、もちろん彼女・彼氏もおらず、休日の過ごし方は一日中ネット。日本にいる友人は就職・結婚と人生の階段を着実に昇り、思いを寄せていたあの人もいつの間にか結婚。それに引き換え今だに学生なんぞやっている自分に対する親族の冷たい視線。それが修士課程なら2年、博士課程なら5-6年続く、そういう状況になったとしてもOKと言えるのかどうか。

しかし、そんな疎外感と孤独感は今に始まったことではなく、前に書いたように、昔々の時代から、遠藤周作が『留学』で、水村美苗が『私小説』で書いてきたことである。夏目漱石がロンドンでノイローゼになったというのもよく知られた話だ。留学を決めるに当たってできることというのは、そういうワーストケースをどこまで具体的にシミュレーションできるか、そしてそのシナリオをどこまで許容するか、ということくらいなのではないだろうか。


留学 (新潮文庫) 私小説―from left to right (ちくま文庫)




2012/03/25(日) | Others | トラックバック(0) | コメント(0)

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