先学期の Econometrics 1 に続く、今学期の Econometrics 2 の内容を簡単にまとめておく。基本的には、Wooldridge のテキストを通しでカバーし、プラスアルファで、Cameron & Trivedi というものだ。
1. OLS Estimation
2. Instrumental Variables
3. Evaluating Treatment Effects
4. Systems of Equation
5. Panel Data
6. M-Estimators
7. Discrete Response Models
8. Bayesian Methods
1. OLS Estimation
2. Instrumental Variables
3. Evaluating Treatment Effects
4. Systems of Equation
5. Panel Data
6. M-Estimators
7. Discrete Response Models
8. Bayesian Methods
担当は中堅プロフェッサーで、この Econometrics でも Macro と同様、授業で取り上げるトピックと論文とを並行しながら進めていった。実証研究の論文が大半であり、その内容はいずれも興味深いものばかりだ。例えば、Economic Growth のテキスト著者である Acemoglu。彼は世界に富める国がある一方、貧しいままでいる国があるのはなぜかと考えた。そして、その要因の一つが、法律を始めとした社会的制度(institution)にあるのではないかと考え、計量経済学のモデルを用い、制度(institution) と 経済成長(economic growth) の関係を明らかにしていく。実証研究の面白さの一つは、このようにシンプルなモデルであっても極めて鮮やかに、現実に起こった現象を理論的に説明していくことだ。もちろんそれ以外の要因も考えられるわけだが、それでもこの二者を単なる相関関係でなく、因果関係として示すことは、政策的にも大きな意味があるだろう。
それ以外にも、『ヤバい経済学』
の著者 Levitt の論文も面白い。ベストセラーとなったこの一般書では、犯罪・ドラッグ・マフィア・八百長等、取り上げたテーマの奇抜さが話題となった。一方で、彼の原論文を実際に読んでいくと、テーマ設定の妙はもちろんのこと、モデルの作り方が巧みだと感心する。これもシンプルなモデルで、結論をくっきりと浮かび上がらせたものだと言えよう。
この Econometrics の教授は教え方がうまかったことも書き残しておきたい。授業の合間には、僕たち学生がいよいよ自分たちの論文を書き始めるときの心構えや注意点、ジョブマーケットでのプレゼンの良し悪し等々について雑談やコメントがあり、少し先を見据えた観点から学生をモチベートするのがうまかったように思う。論文を読み、その要点をまとめるという課題も、論文の読み方/批評の仕方という点で大いに勉強になるものだった。
それ以外にも、『ヤバい経済学』
この Econometrics の教授は教え方がうまかったことも書き残しておきたい。授業の合間には、僕たち学生がいよいよ自分たちの論文を書き始めるときの心構えや注意点、ジョブマーケットでのプレゼンの良し悪し等々について雑談やコメントがあり、少し先を見据えた観点から学生をモチベートするのがうまかったように思う。論文を読み、その要点をまとめるという課題も、論文の読み方/批評の仕方という点で大いに勉強になるものだった。
2009/05/26(火) | Economics | トラックバック(0) | コメント(0)