Djokovic signed a 10-year, incentive-laden deal with clothing brand Sergio Tacchini in 2009. The bonuses from Djokovic’s monster 2011 season blew Tacchini’s marketing budget out of the water and the company stopped paying him. Tacchini also had trouble distributing its tennis apparel outside of Italy. Djokovic signed a new deal with Japanese clothing brand Uniqlo last month to replace his Tacchini contract.
さて一方のユニクロ社プレスリリースでは、「テニス用のスポーツウェアにとどまらず、ユニクロで通常販売する各種カジュアルウェアの開発を行ってまいります」ということのようだが、うーむ商品開発でジョコビッチがどれくらい貢献できるのだろうか。何しろユニクロは以前、スポーツウェアを「スポクロ」ブランドで展開し大コケしたという経緯がある。
うちの実家の近所でもその昔、伝説の「スポクロ」が1店華々しくオープンし、そして余りにも颯爽と撤退していったもんだから、今でも強烈に印象に残っている。まあ柳井社長は、その「スポクロ」についても著書『一勝九敗』の中で赤裸々に語っているように、負け戦の負けっぷりがいつも見事だから、ジョコビッチとの契約がエースとなろうとフォールトとなろうと、あまり関係ないのかもね。
そんな大物スポーツ選手の囲い込みで思い出したのが、以前面白く読んだ『アディダスVSプーマ』。ご存知の方も多いと思うが、スポーツ界のビッグメーカーであるこの2社、ドイツのある兄弟が仲違いして設立したという因縁の歴史がある。そしてその後は、他のビッグブランドも参戦し、お互いライバル意識むき出しの競争、すなわち選手・チーム・スポーツイベントの契約獲得合戦が繰り広げられてきたのだ。
今回の全仏オープンで優勝したナダルにしても、彼を巡る企業の囲い込み競争はさらにヒートアップしそうで、フォーブスの別記事 "Rafael Nadal's Historic French Open Win Will Boost His Bank Account" はこんな風に書いている。
Nadal turned 26 this month and could have another five years of elite play in him. Nadal might challenge Federer’s title as the sport’s greatest player ever. Companies should act now before the price tag goes even higher.
本書『アディダスVSプーマ』では、普段知る機会のないスポーツイベントの舞台裏、そしてそこで暗闘するビッグブランド各社の熾烈なマーケティングを目の当たりにすることになるのだが、今回のようにそのグローバルな闘いにユニクロまでが絡んでくるとしたら、ぜひとも続編として最新事情を描いて欲しいものである。


2012/06/15(金) | Books | トラックバック(0) | コメント(2)