昨年末にオープンした蔦屋書店・代官山店に行ってきた。確かに美しい、そのインテリア・レイアウト、デザイン関連書・写真集・文房具といった品揃え、そしてカフェを中心に店舗内外のオープンスペースが。ワザとらしいとも言えるが、それでも『世界の夢の本屋さん』の第二巻でピックアップされるだけのことはあるだろう。
ただ、羽生善治の詰将棋の本ありますか?って聞いたら、将棋関連書は一冊も置いていないらしい。ちっ、本屋としてなっとらん。
ただ、羽生善治の詰将棋の本ありますか?って聞いたら、将棋関連書は一冊も置いていないらしい。ちっ、本屋としてなっとらん。


しかし、店舗以上に興味深く思ったのが、ツタヤを率いる増田宗昭が自身のクワダテとタクラミを存分に語った著書『代官山 オトナTSUTAYA計画』。CCCは「企画を売る会社」であるが、形のない企画を売るにはどうしても目に見えるパッケージが必要であり、それが直営店としてオープンしたTSUTAYA渋谷店であり、六本木店であり、そして今回の代官山店なのだ、という増田の考えがよく分かる。と同時に、「時代時代の空気」をどう読み取り、どう形作り、どう提供するかといった、着想・発想・企画のプロセスにも触れた一冊。ただ、将棋本くらい置いて欲しかったなあ、オシャレじゃないデスけど(笑)。



TSUTAYA、Tカードの運営をするカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)が、今年の夏、東京・代官山に4000坪の新型商業施設をオープンさせる。緑豊かな敷地に従来のイメージを覆すTSUTAYAと一棟建てのテナント群が並ぶ、文化とコミュニケーションをテーマにしたプロジェクト。CCCが「プレミアエイジ」と呼ぶ50歳以上の大人たちがメインターゲットだ。本書は、同社の社長・増田宗昭が、まず第1部でそのプレミアエイジに対する熱い思いを綴りながらターゲット論を展開、続く第2部でコミュニケーションの本質に迫り、最終の第3部で代官山プロジェクトの目指すところを語る。一つのプロジェクトの物語を通してCCCの未来を照らし出し、同時に“IT新時代”に真に必要とされるリアル店舗の姿を映し出す。

2012/07/27(金) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)