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リンクトインのチーフエコノミストは誰だ?

グーグルのチーフエコノミストに Varian が、そしてアマゾンのチーフエコノミストに Bajari が就いたように、ここ数年ネット企業による大物経済学者の引き抜きが相次いだ。次は誰がどの企業に?という噂は多々あろうが、その中でも labor economist が興味を持っているのは、フェイスブック等よりもむしろ、リンクトインなのではないだろうか。昨年ユーザー数が世界で1億人を超えたリンクトインの概要は、こちらの記事や、こちらのインフォグラフィクスが参考になる。

ソーシャルメディアの達人が教える リンクトイン仕事革命 スタートアップ!   ― シリコンバレー流成功する自己実現の秘訣

リンクトインではユーザーのレジュメを管理しているため必然的に、誰がどの企業に転じたのかが個人レベルで分かる。それと同時に、レジュメ記載の情報だからこそ、内容を偽ったり適当に書いたりする人は少なく、極めてエラーの少ないデータと言えるだろう。そして、その個人レベルのデータが蓄積すると、企業間の労働力インフローとアウトフローがはっきりと分かるようになる。

例えばリンクトインのグーグルのページで描かれているように、現グーグル社員の多くはマイクロソフトから転じてきており、かつグーグルから転出する社員の多くもマイクロソフトへと流れていく。これって、ちょっと意外な結果じゃない?その他にも、アマゾンやアップルにフェイスブック、そしてゴールドマン・サックスからGMやGEまで、各社の従業員の転出入にはそれぞれ個性がある。

また、教育NPOのティーチ・フォー・アメリカ(TFA)出身者の多くが、その後やはりグーグルに就職していく、なんていうことまで分かってしまうのだが、これは「エリート大学生がその後の大手企業就職を目的に2年間の短期教職に就いている」といったTFA批判と関連する話でもあり、こうした流れがリアルに見えるのは、それだけでも大変に興味深いのである。

googlelinkedin.gif



というように、企業間の mobility が分かるのは、従来の産業間 mobility であったり、都市間 mobility の研究では扱えなかったテーマだ。Enrico Moretti が近著 "The New Geography of Jobs" で描いたマップも、リンクトインのデータを用いてもっと詳細なピクチャーとして描き直すことができるかも知れない。リンクトインのチーフエコノミストに就任し、そんなプロジェクトに取り組むのは、誰だ?

The New Geography of Jobs




2012/09/14(金) | Economics | トラックバック(0) | コメント(0)

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