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浅井祥仁先生に、ヒッグス粒子について聞いてみた

ひょっとして2012年は、サイエンスの豊作の年だったのかも知れない。iPS細胞はもちろんのこと、今年7月にはヒッグス粒子と考えられる新粒子の発見が発表された。ピーター・ヒッグスらが理論的に予言して以来約50年もの間、世界中の科学者が束になっても見つけられなかった「最後の素粒子」は、まさに「神がつくった究極の素粒子」と呼ばれるに相応しいだろう。ピーター・ヒッグス自身が会見で述べたように、「私が生きているうちに見つかるとは思わなかった」ほどの大発見であった。

で、素粒子のソの字も知らない僕としては、とりあえずお手軽な新書でと思い本書『ヒッグス粒子の謎』を手にしたワケなのだが、一般向けに開催された講演がベースとなった内容であるだけに、門外漢にとってはこれは大変に分かりやすい。物質の最小単位である素粒子の世界に始まり、ヒッグス粒子とは何か、その発見が意味するところ、そして新たに幕を開ける物理学の今後について、素粒子標準モデルや超対称性理論といったキーワードに言及しながら、噛み砕いて説明していく。


ヒッグス粒子の謎(祥伝社新書290) 神がつくった究極の素粒子〈上〉



なるほど、物質に質量を与え、宇宙を誕生させたのがこのヒッグス粒子であるということを踏まえた上で、再度『重力とは何か~アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る』そして『宇宙は何でできているのか~素粒子物理学で解く宇宙の謎』を読むと(この2冊もおもしろいんです)、この世で最も大きい「宇宙」と、逆に最も小さい「素粒子」が、実はスムーズに繋がっているということがよく分かる。

宇宙研究の代名詞とも言えるビッグバン理論だけでなく、湯川理論から小林・益川理論、そして最先端の超弦理論まで、これら新書3冊は、こうした現代トピックを専門外に向けてきれいに整理して見せてくれる。最後に、『重力とは何か』の最終章で、「科学とはアイデアの自由市場なのです。力強いアイデア、美しいアイデアには自然と多くの研究者が集まり、そのようなアイデアを生み出す分野が発達していくのです」とあるように、山中伸弥教授らがリードする iPS細胞の研究と同様に、この素粒子物理学そして超弦理論の分野もまた、いま「活気に溢れ」ているのである。読んでいるだけでもそのワクワク感が伝わってくるような、そんな素晴らしい3冊の新書だと思う。


重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る (幻冬舎新書) 宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)




2012/12/12(水) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

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