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裸の統計学の登場だ!

そうきたか~、という続編が登場したぞ。以前「裸でホンネの経済学」で書いたように、"naked economics" はとてもオススメの経済学入門書。Economist 誌の元記者 Charles Wheelan の文章はとても読みやすく、経済学に無縁の読者にも分かりやすい。翻訳書『裸の経済学』は残念ながら絶版となってしまっているのだが、英語で原書を読んでも決して難しくない内容と書き方だ。





そんな Wheelan の新刊がこちらの "naked statistics" だ!目の前にすれば、確かにもうこのタイトルしか有り得ないだろう、と思えるほどドンピシャの内容だ。本書を書いたきっかけは著者の高校・大学時代にまで遡る。当時の授業のなかで微積分はキライだったけど、統計学の授業はオモシロかったと述懐し、だから著者と同じように何らかの(不幸な)契機で数学から離れてしまい、今も統計学に近づこうとしない、そんな人達に向けて "Statistics can be really interesting, and most of it isn't that difficult." と、この面白さを知ってほしいという願いを込めているのだ。

統計学のコンセプトを、数式を使わずに、"everyday life" を題材にして解説していく、というのは、経済学・統計学入門書のほとんど全てに当てはまるアプローチだろう。本書も同様に、確率や統計の考え方に始まり、大数の法則や中心極限定理などを説明していく。

ただ本書は、数多の類似啓蒙書より一歩も二歩も踏み込んだ内容に仕上がっている。それが顕著に現れるのが本書後半だ。第11章は Regression Analysis, 第12章は Common Regression Mistakes, 第13章は Program Evaluation と、計量経済学の導入までをカバーしているのだ。とくに "correlation does not equal causation" というテーゼに触れ、統計学的推測の注意点に言及し、reverse causality, omitted variable, multicollinearity, reversion to the mean 等々の概念を解説していく。

統計学は面白く、そのうえ極めて有用。そう断言した上で、一方でその手法を誤って使うと大変なことになるし、実はそういうミスを犯しがちである、と著者は主張する。こうした姿勢はとても真摯なものであり、だからこそ信頼が置ける。本書 "naked statistics" は統計学入門の第一歩として読む価値の高い一冊であり、以前僕が教えた学部向け統計学の授業でも、名著『統計学を拓いた異才たち』と合わせ、その中で活き活きと描かれるトピックやエピソードのいくつかを、ぜひとも授業中に紹介したかった内容である。




Once considered tedious, the field of statistics is rapidly evolving into a discipline. Hal Varian, chief economist at Google, has actually called “sexy.” From batting averages and political polls to game shows and medical research, the real-world application of statistics continues to grow by leaps and bounds. How can we catch schools that cheat on standardized tests? How does Netflix know which movies you’ll like? What is causing the rising incidence of autism? As best-selling author Charles Wheelan shows us in Naked Statistics, the right data and a few well-chosen statistical tools can help us answer these questions and more.





2013/02/20(水) | Economics | トラックバック(0) | コメント(0)

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