若き経済学者のアメリカEconomics ≫ 新著『昨日までの世界』のジャレド・ダイアモンドが薦めるこの一冊

新著『昨日までの世界』のジャレド・ダイアモンドが薦めるこの一冊

「壮大な世界経済史を読む」でリストアップしたように、世界的ベストセラーととなった『銃・病原菌・鉄』は、経済学的な視点も盛り込みつつ、各大陸の文明発展の多様性を分析した、人類の壮大な大河ドラマ。


文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)


その著者ジャレド・ダイアモンドの新著『昨日までの世界』が早くも翻訳されて出版された。アメリカでも昨年末に発売されたばかりなのに、今回の翻訳は仕事はやいなあ。翻訳者は、『銃・病原菌・鉄』のときと同じく倉骨彰であり、前作以上に気合が入っていたのだろう。ジャレド・ダイアモンドは先日、プロモーションの一環として来日したようで、各誌からインタビュー記事が出されている。

1.ナショナル・ジオグラフィック
2.ハーバード・ビジネス・レビュー
3.日経ビジネス


昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来



僕はまだ本書を読んでいないのだが、米国の新聞や雑誌等のインタビュー記事なども読みながら個人的に興味を持ったのが、ジャレド・ダイアモンドが昨年のベスト書籍としてお薦めする "The Measure of a Nation: How to Regain America's Competitive Edge and Boost Our Global Standing". ニューヨーク・タイムズのインタビューに対し、彼がここまで推薦するならと、思わずこちらの本から手にすることとなった。



There were so many good books in 2012 that rather than attempt to identify the best of them, I’ll mention here one that is among the best and that deserves more attention than it has received. It’s Howard Steven Friedman, “The Measure of a Nation: How to Regain America’s Competitive Edge and Boost Our Global Standing.” Despite the subtitle, this book is not just another one of hundreds of books making recommendations about what the U.S. should be doing. Instead, Friedman compares the United States with 13 other rich countries in five vital measures of individual and national security: health, safety, education, democracy and equality. Friedman explains clearly and convincingly, writes engagingly and laces his text with personal examples. Contrary to what many Americans think, the U.S. does not lead the world by these measures. Friedman’s recommendations are specific and feasible. I’m glad that I resisted my instinct of dismissing the book when I first saw its cover: it’s thought-provoking, and good reading.




なるほど、確かにデータも豊富で面白い。医療、安全保障、教育、民主主義、平等のそれぞれのテーマで章立てされており、他国と比較した際の米国の課題が指摘されていく。

各章のページ数が少なく、データの提示にとどまり分析に乏しい、という批判はあるだろう。それぞれの分野の専門家にしてみれば当たり前のことばかり並んでいるとも言える。しかし他分野の人にとっては、まずもって何が問題なのか、それがなぜ問題となっているのか、そしてどう解決していこうとしているのか、というビッグ・ピクチャーをつかむには最適の一冊でもある。米国のデータを用いた applied microeconomics の研究アイデアのネタ帳としても使えるのではないだろうか。




2013/05/10(金) | Economics | トラックバック(0) | コメント(0)

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