Growth has been spurred by both supply and demand. More students arrive in college with an interest in statistics thanks to the launch of an Advanced Placement examination in the subject in 1997. The number of high-school students taking the college-level test has more than tripled since 2001, to 149,165 last year, according to the College Board, which administers the examination.

この急増する統計学ニーズに応えるための一つの方策として、オンライン講座に期待が集まっている。以前に「いま、オンライン教育がアツイ」で書いたように、この分野(Massive Open Online Courses)で多数のスタートアップ企業が登場し、アメリカを中心とする世界のトップ大学が続々と参加を表明している。その中でも注目度が高いのがスタンフォード発の Coursera であり、東大も今秋から同サービスで講座提供すると発表したばかりだ。
そのCoursera で、プリンストン大学が提供している統計学のコースが、既に10万人近い受講生を集め人気講座となっている、というのが以下のWSJ記事。無料の授業とはいえ、世界中からこれだけの生徒を集めるのだから、現状様々な技術的・経営的課題があるにしても、やっぱりオンライン講座のポテンシャルを感じないわけにはいかない。
One potential solution to the strain on statistics programs and the increased demand for statisticians is the introduction of MOOCs, or massive open online courses, in the field. There were about 96,000 students enrolled in a statistics one course on Coursera last fall.
この授業のイントロを聴いてみたのだが、講師の英語はとても聞き取りやすい。そのうえ6週間という短期集中のコースだから、統計学をもう一度勉強してみようという人にとっては、非常に魅力的な講座となるのではないだろうか。ちなみに、この授業で推奨されている教科書は、先日のエントリで僕もイチオシした、Freedman 等による "Statistics." 本当に味わいのある、すごくいいテキストだと思う。

英語はやっぱりちょっと・・・という人には、日本語の統計学入門書として以下の3冊をお薦めしたい。以前書いたように、まったくのゼロから統計学を学ぶなら小島寛之『完全独習 統計学入門』、イチくらいから始めるなら鳥居泰彦『はじめての統計学』、そしてより本格的な入門書としては東京大学出版会『統計学入門 (基礎統計学)』、といった具合にこの順番でレベルが高くなる。
統計学でも経済学でも、啓蒙書の類は確かに読んで面白いし、これから勉強しようといういい動機付けにはなる。なにしろ読むのカンタンだし。ただそこから先のことを体系的にきちんと勉強しようと思うならば、カンタンではなくなるかも知れないが、やっぱりそれなりのテキストへと進んでいく必要があるだろう。そのときどきでベストセラーとなるお手軽な啓蒙書ばかりを買っているわけにはいかない。
そう思ったときに、昔ながらの教科書と新しいテクノロジーとしてのオンライン講座、というコンビネーションは、学ぶ人にとっても大きな可能性を提供してくれるのではないだろうか。そんな選択肢が今後ますます広がっていくことを期待したい。
2013/03/06(水) | Economics | トラックバック(0) | コメント(0)