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U2ボノと飢餓と貧困と、そして地上最後の経済大陸アフリカ

2004年にペンシルヴァニア大学の卒業式でスピーチしたボノは、アフリカの貧困という危機的な状況をなんとかしなければならないと訴えた。そのボノが今年2月にTEDのメイン・カンファレンスに登場し、解決に向けた動きが加速し、いよいよゴールが見えてきたと語った。

・日本の卒業式シーズンに聴く、米国大学卒業スピーチ・ベスト5




Human beings have been campaigning against inequality and poverty for 3,000 years. But this journey is accelerating. Bono "embraces his inner nerd" and shares inspiring data that shows the end of poverty is in sight … if we can harness the momentum.

Bono, the lead singer of U2, uses his celebrity to fight for social justice worldwide: to end hunger, poverty and disease, especially in Africa. His nonprofit ONE raises awareness via media, policy and calls to action.




それではこうした貧困の問題に経済学そして経済学者はどのように関わっているのか?それを理解するには、開発経済学者の第一人者らが書いた『貧乏人の経済学』が参考になる。開発とか援助といった大枠の議論ではなく、実際にそして具体的にどのような施策が住民の生活向上に役立つのかについて、地道な実証実験を通じて理解を深めていく。




最近出版された『経済大陸アフリカ』も参考になる一冊。著者は、「貧困アフリカ」の固定観念にしばられていたのでは新世紀アフリカへの対応をただしくとれないと指摘し、「世界からアフリカを読み、アフリカから世界を読みとく」ことを本書の主眼としている。これは、従来の「アフリカのなかに閉じられた議論」を突破する、極めてタイムリーな視点と言えるのではないだろうか。

そのことを象徴するように、本書では第一章すべてを「中国のアフリカ攻勢」に充て、アフリカでますます存在感を強める中国の狙いと軋轢について解説するところから話を始める。それ以降の章では、資源開発や食料安全保障等、従来から議論されてきたテーマが語られるが、アフリカを一貫してグローバル経済の中に位置づけて読みとくというアプローチにぶれはない。


第5章「グローバル企業は国家をこえて」では、市場としてのアフリカとそこで勃興・成長する企業に焦点が当てられ、第6章「日本とアフリカ」では、アフリカにおける日本の国益に言及する。BRICs と呼ばれていたものが BRICS となり、すなわち南アフリカが大文字のSとして加わるようになったように、急発展する途上国を語るのにアフリカは欠かせない存在となった。

広大なアフリカには、資源と食料の宝庫という側面と抜け出せないほどの貧困という側面がある一方で、いま新たに起業・成長・グローバルビジネスという側面が見えてきた。それはつまり、著者が指摘するように、日本はいつまでも「アフリカは遠い」とは言えなくなってきたということでもある。日本人の多くが持っていた、遠いと考えるその距離感をぐっと縮めるのに、本書は極めて大きな貢献をしていると言えるだろう。






2013/04/08(月) | English | トラックバック(0) | コメント(0)

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