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「われ敗れたり」、コンピュータ将棋電王戦

プロ棋士とコンピュータ将棋ソフトによる5番勝負、第2回電王戦は、1勝3敗1分でプロ棋士が敗れた。

4月20日、日経新聞)今回の電王戦は、個人戦としても団体戦としても、初めて現役プロがソフトに敗れた勝負として広く報じられた。歴史的にもそう記録されるのだろうが、今回の電王戦に臨んだ棋士たちの姿も、記憶に残してほしい。


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現役トップ棋士が初めてコンピュータに屈した第二局は、逆転負けを喫したという意味でも佐藤慎一・四段に多くの批判が寄せられたが、それ以降の将棋ソフトの戦いを見れば、もう認めざるを得ないだろう、その強さを。あのベジータだって認めただろ、カカロットの強さを。と、5手詰みの詰将棋くらいで既にゼエゼエ息切れしている僕が言っても、ぜんぜん説得力ないんだけどね。

・いまさら詰将棋にはまってしまった


そして、トッププロ棋士が揃ってコンピュータに完敗した今だからこそ、改めてその偉大さを認識したい。そもそも第一回の電王戦を企画し、その挑戦者となり、そして見事に敗れた、故・米長邦雄永世棋聖の功績に。今回の第二回電王戦に挑んだ五人のプロ棋士にも、ぜひ少々の時間を置いた後で、冷静な敗戦記を残して欲しいと思う。





米長の実績は現役時代の強さだけでなく、第一線を退いた後には将棋連盟会長として様々な制度改革(アマチュアからプロへの編入等)を実行したことでも知られる。ただのエロ爺さんではないのである。

そんな彼の最晩年の功績が、第一回電王戦だったと思うのだ。勝って当たり前、負ければ批判の嵐。そんな世論を前に、普通の棋士なら手を挙げたくはないはずだ。しかしそこに挑み敗れたばかりか、相手の強さを認める手記を残している点こそが、将棋界に対する米長の最大の功績だと言えるのではないだろうか。

人気連載だった「名勝負今昔物語」等を収録した『将棋の天才たち』の中でも、米長は対戦相手となったコンピュータ・ボンクラーズ戦を、次のような書き出しで振り返る。「負けた。負けてしもうた。」

そして、「負けたのは私が弱いからであって、6二玉に罪はない。再戦できるのなら躊躇なく同じ手を指すことだろう。」と、決して奇策などではない自信の一手を放っても勝てなかったのだと述懐する。

今回の第二回電王戦、5番勝負で完敗したのも、コンピュータがプロ棋士よりも圧倒的に強かったからに他ならない。現段階では次回の電王戦開催に慎重な姿勢をみせる将棋連盟だが、また敗れることを恐れて挑戦者を出せず、もしも次の電王戦が開催されないという事態になるのであれば、その時こそ本当に棋士がコンピュータに負けたときになるのではないだろうか。





2013/04/21(日) | News | トラックバック(0) | コメント(0)

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