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書くことについて語るときに彼らの語ること

昨年出版されたこの本 "Becoming an Academic Writer" がなかなかイイ。アカデミック・ライティングのパートと、ライティング・スタイルのパートに分かれているのだが、前者に関しては優れたテキストが既に数多く出版されているため、本書のよさは主に後半のスタイル論になると思う。

This book helps academic writers gain control over writing and publishing, master specific aspects of academic writing, and improve their productivity.






ライティング・スタイル論に関しては、以前「書き続けるマインド」で書いたように、スケジュールを立てて書く時間を確保し、書くという行為を日常のものとし、そして毎日書き続けるということに尽きる。そのときに紹介した以下の2冊は、とくに修士論文や博士論文に取り組み始めたばかりの人にとって有用だろう。






上記の "Becoming an Academic Writer" はこの2冊のアドバイスをより実践的な内容にしたものと言える。例えば、毎日必ず何かしら書こう、書く時間を一日に1分ずつ増やしていこう、書く際には新しい英単語を一日1つ使ってみよう、といった具合だ。それはまるでマラソンを完走するために、1km ずつ走行距離を伸ばしていこうという助言に近い。

質の高い文章を一定量書けるようになるためには、「書き続ける」しか方法はないのだろう。そしてそれは、小説を書くために必要な資質として、集中力と持続力を挙げる村上春樹の指摘でもある(『走ることについて語るときに僕の語ること』)。

現代最高峰の作家である村上春樹だが、彼が毎朝同じ時間に机に向かい、若干の休憩とランニングを挟み、夕方まで一定量の原稿を書き続けるという生活を、調子が良い日も悪い日も同じように続けているということは、もっと注目されていいと思う。


研究者の仕事が論文を書くということである以上、僕らもまた村上の言葉どおり「書き続け」ねばならない。ある日突然アイデアが湧き上がる、締切前に一気呵成に書き上げる、そういう破天荒な小説家や研究者がいるのは構わない。

しかし、コンスタントにプロダクティブな "Academic Writer" を目標とするならば、雨の日も風の日も地道に続けることこそが王道と言えるのだろう。そんな生活を続けられるかどうかはもちろん本人次第だが、本書 "Becoming an Academic Writer" はそんな人に伴走し、そっと助言を与えてくれる、そんな一冊と言えるだろう。




2013/05/17(金) | English | トラックバック(0) | コメント(0)

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