ロサンゼルスから車でひたすら北上してきたアメリカ西海岸 2,750km のドライブも、いよいよオレゴン州に入り終盤を迎えた。
1. 日系人収容所跡地を訪れる、西海岸縦断の旅
2. ヨセミテ国立公園で森林浴
3. ゴールデンゲートブリッジを渡ってワインの里ナパ・ソノマへ
4. ツールレイク収容所とカリフォルニア/オレゴンの州境
5. クレイターレイク国立公園のディープ・ブルー
今回の旅のゴールであるシアトルも、地図で見る限りもう近い距離にある。そんな中で立ち寄ったのがベンドという街。オレゴン州最大の都市ポートランドの名前は聞いたり実際に訪れたりする人も多いだろう。それと比べるとベンドは本当に小さい町だ。
しかし、それが、僕にとっては今回の旅で最高に素敵な場所となった。その理由が、この小さな町には不釣り合いなほど数多く存在するクラフト・ビールの醸造所だ。
1. 日系人収容所跡地を訪れる、西海岸縦断の旅
2. ヨセミテ国立公園で森林浴
3. ゴールデンゲートブリッジを渡ってワインの里ナパ・ソノマへ
4. ツールレイク収容所とカリフォルニア/オレゴンの州境
5. クレイターレイク国立公園のディープ・ブルー
今回の旅のゴールであるシアトルも、地図で見る限りもう近い距離にある。そんな中で立ち寄ったのがベンドという街。オレゴン州最大の都市ポートランドの名前は聞いたり実際に訪れたりする人も多いだろう。それと比べるとベンドは本当に小さい町だ。
しかし、それが、僕にとっては今回の旅で最高に素敵な場所となった。その理由が、この小さな町には不釣り合いなほど数多く存在するクラフト・ビールの醸造所だ。

あ
あ
ベンドの町の大きさは歩いて回るのにちょうどよいサイズだ。メインストリートと呼べるものは2本くらいしかなく、気ままな散歩を楽しみ、すぐそばにある公園で一休み。観光客が押し寄せるような街ではないため、地元住民らしき人たちが犬を散歩したり、日光浴をしたり、本を読んだりする、そんなのんびりとした光景くらいしか見かけない。それがいい。



そんなベンドのメインストリートに面して建つレンガ造りの建物、それが1988年にこの町で創業した Deschutes Brewery の直営レストランだ。まだ25年と歴史が浅い同社だが、約2,400あるといわれているアメリカのクラフトビール(いわゆる地ビール)会社の中では5番目に大きな会社でもある。

いま最もアツイ、クラフトビールの聖地オレゴン州の牽引役であるのはもちろん、近年の全米でのクラフトビール・ブームにも大きく貢献している。とくにクラフトビールの代名詞とも言える Indian Pale Ale (I.P.A.) は、バドワイザーとかミラーなんぞしかなかった米国ビール業界に殴り込みをかけた革命的商品だ。

そんな米国クラフトビールの歴史と現状については、先日の The New Yorker のこのデータや、この記事が面白い。
Deschutes Brewery のレストランでハンドメイド・ハンバーガーとI.P.A.を楽しんだあとは、同社の工場へと向かった。もちろん目的は工場見学と、できたてビールの試飲である。工場は町外れにある、といっても車で10分程度。全米第五位という規模とはいえ、そもそもが小規模と定義されるクラフトビール業界の中での話なのだから、工場そのものは予想していたよりもずっと小さい。

受付で見学エントリー(無料)して、早速ツアー開始。身振り手振りを交え熱っぽく語るおじちゃんの話に耳を傾けつつも、目はどうしてもその強烈な顎鬚に釘付けにされてしまった。このおじちゃんが30分程度のツアーを仕切り、ビール醸造プロセスを順々に丁寧に教えてくれる。

そして最後にはお待ちかねの試飲。そしてファクトリーショップでお土産にTシャツまで買ってしまい、大満喫してしまったのである。もしベンドに行く予定があるならば、絶対に外せないスポットだとお薦めしたい。

もちろん、クラフトビール巡りはまだ始まったばかりだ。なんてったって、町中の至るところにブリュワリーが点在しており、スタンプラリーなどもやっているくらいなのだから。ちなみに、歩いて回れないこともないが、車があった方が便利。
ただ、車がない場合や、同乗者全員がお酒を飲みたい場合には、町中を走っている観光自転車(その名もCycle Pub)に乗るといいだろう。10人乗りくらいの大型自転車で、足で漕ぎつつ、ビールを飲むという経験はなかなか出来ないと思う。
そして次にやってきたのが、10 Barrel Brewing. ここは2006年創業の極めて若い会社だが、先ほどの The New Yorker のデータでは、Fastest-growing breweries の一つに数えられている、成長著しい醸造所だ。
洒落た雰囲気のレストランとなっていて、食事も美味しい。ビールのテイスティングセットを頼んだのだが、これまた種類が豊富!黒ビールから赤、白まで、様々なテイストを楽しんだが、やっぱり個人的には I.P.A. が好きだなあ。この店でもまたオリジナルTシャツを買ってしまったほど、気に入ったブリュワリーであった。

ベンドのビール醸造所めぐりで面白かったのは、本当に設立間もないブリュワリーがいくつもあることと、そんなところでも小規模ながら工場見学や試飲など、きちんとした対応でファンづくりに取り組んでいるように思えたところだ。
例えばこの、2009年創業のBoneyard。ここは、10 Barrel に比べてもさらにずっと小さくて、まるで自宅のガレージでビールを作っているかのようだ。衛生面とかどうなっているのかちょっとよく分からん(笑)。しかし自分たちに出来ることを、自分たちの手でゼロから立ち上げるその様は、きっと恐らくは、アップルやヒューレット・パッカードといった会社がシリコンバレーのガレージでスタートしたのと同じことなのではないだろうか。

そう、ここベンドのクラフトビールに取り組む彼らはまさにアントレプレナーなのである。IBMに立ち向かった挑戦者アップルに多くの人が熱狂し喝采を送ったように、ビール業界の巨人バドワイザーなどに恐れを抱かないクラフトビール創業者たちのその熱い思いにこそ、僕らは酔いしれているのではないだろうか。
ビール好きにはぜひとも、クラフトビールの里オレゴン州を訪れた際には、ポートランドだけでなく、ここベンドの町も巡礼されることをぜひお薦めしたい。それくらい僕はこの小さな聖地が大好きになったのだ。
あ
ベンドの町の大きさは歩いて回るのにちょうどよいサイズだ。メインストリートと呼べるものは2本くらいしかなく、気ままな散歩を楽しみ、すぐそばにある公園で一休み。観光客が押し寄せるような街ではないため、地元住民らしき人たちが犬を散歩したり、日光浴をしたり、本を読んだりする、そんなのんびりとした光景くらいしか見かけない。それがいい。



そんなベンドのメインストリートに面して建つレンガ造りの建物、それが1988年にこの町で創業した Deschutes Brewery の直営レストランだ。まだ25年と歴史が浅い同社だが、約2,400あるといわれているアメリカのクラフトビール(いわゆる地ビール)会社の中では5番目に大きな会社でもある。

いま最もアツイ、クラフトビールの聖地オレゴン州の牽引役であるのはもちろん、近年の全米でのクラフトビール・ブームにも大きく貢献している。とくにクラフトビールの代名詞とも言える Indian Pale Ale (I.P.A.) は、バドワイザーとかミラーなんぞしかなかった米国ビール業界に殴り込みをかけた革命的商品だ。

そんな米国クラフトビールの歴史と現状については、先日の The New Yorker のこのデータや、この記事が面白い。
Deschutes Brewery のレストランでハンドメイド・ハンバーガーとI.P.A.を楽しんだあとは、同社の工場へと向かった。もちろん目的は工場見学と、できたてビールの試飲である。工場は町外れにある、といっても車で10分程度。全米第五位という規模とはいえ、そもそもが小規模と定義されるクラフトビール業界の中での話なのだから、工場そのものは予想していたよりもずっと小さい。

受付で見学エントリー(無料)して、早速ツアー開始。身振り手振りを交え熱っぽく語るおじちゃんの話に耳を傾けつつも、目はどうしてもその強烈な顎鬚に釘付けにされてしまった。このおじちゃんが30分程度のツアーを仕切り、ビール醸造プロセスを順々に丁寧に教えてくれる。

そして最後にはお待ちかねの試飲。そしてファクトリーショップでお土産にTシャツまで買ってしまい、大満喫してしまったのである。もしベンドに行く予定があるならば、絶対に外せないスポットだとお薦めしたい。

もちろん、クラフトビール巡りはまだ始まったばかりだ。なんてったって、町中の至るところにブリュワリーが点在しており、スタンプラリーなどもやっているくらいなのだから。ちなみに、歩いて回れないこともないが、車があった方が便利。
ただ、車がない場合や、同乗者全員がお酒を飲みたい場合には、町中を走っている観光自転車(その名もCycle Pub)に乗るといいだろう。10人乗りくらいの大型自転車で、足で漕ぎつつ、ビールを飲むという経験はなかなか出来ないと思う。
そして次にやってきたのが、10 Barrel Brewing. ここは2006年創業の極めて若い会社だが、先ほどの The New Yorker のデータでは、Fastest-growing breweries の一つに数えられている、成長著しい醸造所だ。
洒落た雰囲気のレストランとなっていて、食事も美味しい。ビールのテイスティングセットを頼んだのだが、これまた種類が豊富!黒ビールから赤、白まで、様々なテイストを楽しんだが、やっぱり個人的には I.P.A. が好きだなあ。この店でもまたオリジナルTシャツを買ってしまったほど、気に入ったブリュワリーであった。

ベンドのビール醸造所めぐりで面白かったのは、本当に設立間もないブリュワリーがいくつもあることと、そんなところでも小規模ながら工場見学や試飲など、きちんとした対応でファンづくりに取り組んでいるように思えたところだ。
例えばこの、2009年創業のBoneyard。ここは、10 Barrel に比べてもさらにずっと小さくて、まるで自宅のガレージでビールを作っているかのようだ。衛生面とかどうなっているのかちょっとよく分からん(笑)。しかし自分たちに出来ることを、自分たちの手でゼロから立ち上げるその様は、きっと恐らくは、アップルやヒューレット・パッカードといった会社がシリコンバレーのガレージでスタートしたのと同じことなのではないだろうか。

そう、ここベンドのクラフトビールに取り組む彼らはまさにアントレプレナーなのである。IBMに立ち向かった挑戦者アップルに多くの人が熱狂し喝采を送ったように、ビール業界の巨人バドワイザーなどに恐れを抱かないクラフトビール創業者たちのその熱い思いにこそ、僕らは酔いしれているのではないだろうか。
ビール好きにはぜひとも、クラフトビールの里オレゴン州を訪れた際には、ポートランドだけでなく、ここベンドの町も巡礼されることをぜひお薦めしたい。それくらい僕はこの小さな聖地が大好きになったのだ。
2013/09/12(木) | Others | トラックバック(0) | コメント(0)