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「若き物理学徒」にブログ・タイトルをパクられた?

小山慶太『ケンブリッジの天才科学者たち』が、文庫『若き物理学徒たちのケンブリッジ』として登場。しかしそれにしても気になるのが、書名を思い切り改題してきたところ。ひょっとして・・・、本ブログのタイトル(旧名「若き経済学者のアメリカ」)をパクりました?




というのはもちろん冗談で、パクったのは僕の方であります、もちろん(笑)。



その記念すべきパクられ元はもちろん、藤原正彦の名作『若き数学者のアメリカ』である。これまで何度か紹介してきたが、米国アカデミアの世界における、本当に瑞々しいまでの奮闘記。

自身の研究成果発表や、世界一流の研究者とのコミュニケーション等々、いくつもの課題に試行錯誤を重ねながら、それらの困難をひとつひとつ乗り越えていく様は、若々しさと躍動感に満ち溢れ、いつ読み返しても引き込まれてしまう、最高の武者修行エッセイ。これから米国留学を予定する人に強くお薦めしたい一冊。





そしてもう一つ、僕が大好きな本が、これももう何度かオススメしてきた、星新一『明治・父・アメリカ』。SF作家そしてショートショート大家として知られる星新一。その父・星一は行動と信念の人だった。明治の時代にアメリカに渡り、コロンビア大学で統計学を修めた。帰国後は、国のため人のためになる事業をと考え製薬会社を起こす。それが星製薬。

事業は飛躍的な成長を遂げ、現在の星薬科大学の創設者としても歴史に名を残すこととなる。そんな彼が「若き起業家」としての才能をいかんなく発揮した青春ストーリーがこの『明治・父・アメリカ 』だ。アメリカという国がまだ若く、だからこそ星を始めとする各国の若者が大きな夢を描きながらそこに集った。





藤原正彦のもう一つの名著『遙かなるケンブリッジ』は、アメリカで修行した「若き数学者」が歳を重ねた後に滞在した英国ケンブリッジを舞台とした大人の物語。夫となり父親となった彼はケンブリッジの地で、ときに日本に対する偏見と戦いながら自分の家族を守っていく。






そのケンブリッジに集った若き物理学者たちの記憶と記録が、本書『若き物理学徒たちのケンブリッジ』である。とくに焦点が当てられるのが、現在までに29人ものノーベル賞受賞者を輩出したキャベンディッシュ研究所と、その所長ラザフォード。

物理学における一大拠点となったケンブリッジとラザフォード門下生だが、読後に最も印象に残ったのが、ラザフォード自身の生い立ち。ニュージーランド移民の子として農家に生まれ、細々と地元の大学で物理を学んでいたところ、英国の万国博覧会に参加する資格を偶然得る。

その後はカナダ・マギル大学に教授職を得たものの、そこはヨーロッパ物理学会からは遠い辺境の地でもあった。しかしながら研究パートナーにも恵まれ、大変に独創的で生産的な研究を続ける。そして英国マンチェスターに移り、最後はケンブリッジに研究所所長として呼び戻される。

決して初めから豊かだったわけではなく、むしろ不自由な中、アイデアとガッツで勝負し続けたその姿は、まさに「若き数学者」藤原正彦や、「若き起業家」星一と重なる。そしてまた常に前向きで明るく笑顔の人であったところも。

ラザフォードが人生の最期まで飾らない人であり、ニュージーランドの農家の子として生まれたことを誇りにし、故郷に残してきた母を最後まで大事にしてきたことなどなど、ラザフォードの人柄に触れるエピソードも多い。その素晴らしい内容に、僕は思わずブログ・タイトルがパクられたことなど忘れそうになってしまったよ、パクられてませんけどね(笑)







2013/12/14(土) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

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