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映画『利休にたずねよ』と男の艶

映画『利休にたずねよ』が昨日公開された(公式サイト)。山本兼一の原作を映画化したものだが、「品性と執着と俗欲と」で書いたように、本書は大変に艷(つや)やかで艶(あで)やかで艶(なまめ)かしい一冊。その「艶」が映画でどのように表現されているだろうか、というのが個人的に最も気になるところである。





やんちゃだった少年時代と命がけの恋、失敗を経ながらも古物商として頭角を現し、当代随一の茶頭に成り上がる。そのサクセスストーリーの一方で、時に鋭すぎるほどの才覚は師匠からも窘められ「利を休めよ」という助言とともに「利休」の名を授かる。

利休に関してもう一つとても興味深いのが、佐々木俊尚がその著書「キュレーションの時代」の中で、利休こそ最高のキュレーターの実例だという見立てを紹介しているところ。茶室に一輪だけ花を飾るといった、何を見せるか、何を見せないかという判断を、キュレーションそのものだとして解説するのを、とても新鮮に受け止めた。





また、この『利休にたずねよ』の著者・山本兼一には『火天の城』という名作もあり、織田信長の家来である宮大工を主人公として安土城築城の背景とプロセスを描く。

綿密な資料調査を経てこの人物を見つけ、掘り出し、光を当てた瞬間に本作の成功が約束された、と宮部みゆきが絶賛しているように、大工の視点から織田信長を描き、当時最高の素材と人材とそして技術を集めて完成した美と強の城の物語は、読み始めたら止まらないほどの面白さ。戦国時代絵巻に新たな視点を持ち込んだ傑作として、こちらもおすすめの一冊。






2013/12/08(日) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

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