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クラスメイトとの会話(韓国編)

勉強方法に各国それぞれの特色があることを以前書いたが、今回はそんなクラスメイト達との主な会話について、まとめておこうと思う。政治や経済といった少し硬めの会話と、文化や風習等の軟かい会話との両方を。まずは隣国の韓国人から。

【硬め】
韓国人クラスメイトとよく話題になったのが、彼らの兵役経験だ。大多数は学部学生のうちに2年間休学し兵役に就く。義務を果たすために仕方なく2年間を費やしているのかと思っていたが、どうやらそんなことはなさそうなのだ。それが意外だった。話を聞いていて思い浮かべたのが「部活の合宿」だ。サッカー部や野球部の夏の合宿。かわいい女性マネジャーなんかおらず、居るのは鬼のコーチだけ。どこまでも男臭く汗くさい。でも何だか楽しい青春の一ページ。彼らのからっと明るい話しぶりからは、そんな印象を受けた。英語の発音がとてもきれいな一人にその理由を聞くと、兵役中の上官がアメリカ軍人だったなんてこともあるようだ。彼らの口から兵役への不満、政治への不満、アメリカ軍事戦略への不満等を聞いたことがない。日本人クラスメイトの僕に言うことではないのかも知れないが、僕にとってはそれが意外な発見だったのだ。

もう一つ、彼ら彼女らととよく話したのが、韓国の教育熱。お受験戦争は日本を超える熾烈さだというのはよく知られたところだが、僕にとっての驚きは韓国人の海外留学熱。大学院だけでなく学部留学、さらには高校留学も数多く、さらにその数が増えていると言う。そしてそのまま帰国しない選択をする者も多いという。海外でよりよい職に就く、より豊かな暮らしをするという希望が強いと感じた。と同時に、海外で出産するとその子供自身は兵役の義務がないということも影響しているようだ。彼ら自身が兵役に就くのに文句はないが、我が子には同じ経験はさせたくないという思いに、間接的な不満を初めて垣間見た。

海外でより豊かな暮らしをと望む背景には、韓国経済の低迷と先行き不安がある。例えば、韓国を代表する企業、サムソン。日本で言えば、松下・トヨタ・NTTに相当するような、就職先としても人気の大手企業なのだと思っていた。しかし、韓国人にとっては決してそんなことはないようなのだ。給料は低く労働時間は長い。その生涯賃金ではソウル市内にマイホームを購入することすらできない、それが不人気の理由だ。日本人よりもずっと給料の高低に敏感な韓国人にとって、安定した高給取りになる選択肢は3つ。一つは目は、ビジネススクールを出て外資系金融機関に就職。二つ目は、メディカルスクールを出てドクターに。三つ目が、海外Ph.D.を取り研究者に。海外留学しないならば、選択肢は最初の二つに絞られる。だから、学部での専攻分野に関係なく、学部卒業後にビジネスかメディカルの院進学が急増しているとのことだ。

海外への人材流出、国内製造業の不人気、人材供給先の偏り等、いくつもの問題があるように見える。しかし、これは韓国の課題であると同時に、いつでも日本の課題ともなり得ると感じられ、だからこそより一層彼らの話に耳を傾けた。


【軟め】
韓国と日本とはつくづく似ている点が多いと感じる。それでいてちょっと違うところがお互いに面白く、よく話したものだ。例えば結婚について。クラスメイトの一人がこの夏、韓国で結婚式を挙げるということで、その準備の様子などを興味深く聞いた。まず似ているなぁと思うのが、結婚式の形態と、結婚式そのものが一つの産業にまでなっているところ。式の選択肢としてホテル、式場、教会等があるのは日本と全く同じだと思った。と同時に、ホテルは豪華だけどその分値段が張るんだよねぇという彼のコメントはそのまま日本の結婚産業にも当てはまるだろう。ご祝儀や引出物といった慣習が同じなのも興味深い。

一方で異なる点の最たるものが、式の規模だ。今回の彼の式でも200~300人規模だそうだ。政治家の息子である別のクラスメイトが去年行った式は、700人だったと言う。マジですか!? その700人の式では当然一つの会場には入り切らないので、別会場も用意しテレビ中継で式を見守ったそうだ。いやぁ、たまげた。それだけの規模になる理由がまた面白い。式の招待客の人数が、その家族の社会的地位や影響力を表すと信じられているとのこと。だから、稀にではあるものの、人数を意図的に増やすために、わざわざアルバイトを雇って席に座ってもらうこともあるとかないとか。何と見栄っ張りな! 

結婚観については、韓国人男性は日本人男性以上に保守的だ。結婚相手には高学歴や高収入の女性を避け、専業主婦・良妻賢母タイプを求める傾向が強い。だから、同じクラスメイトなのに、韓国人男性が韓国人女性になんだか遠慮がちで及び腰なのが笑っちゃう。こんな風に結婚ひとつとっても、日本とよく似ている部分とずいぶん違う点が同居している。それが韓国という国の面白さだと思う。

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2009/07/03(金) | Class | トラックバック(0) | コメント(0)

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