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フェルメールの光

メトロポリタン美術館を出て5分も歩くと、フリック・コレクションに着く。実業家ヘンリー・フリック(1849-1919)が、彼の邸宅を改装して個人コレクションを展示している小さな美術館だ。ここには、フェルメールの作品が3点収蔵されている。富豪だっただけあり、小さいながらもその豪邸ぶりは顕著で、美術品を買い集めた(漁った)感が拭えないのは残念だ。メトロポリタンに続き、フリックよお前もか、と文句の一つも言いたくなる。しかし、当時から個人として3点も所有していたということが示すように、単なる成功者ではなく、美術にも造詣が深い人物だったのだ。

そして、確かにここにはフェルメールの光があった。とくに「兵士と笑う娘」には、窓から柔らかい陽が差し込み、女性の笑顔と相まって、何とも言えない明るく暖かな雰囲気を醸している。東京で見た「牛乳を注ぐ女」にも同じような光があったが、一人で台所仕事をこなす姿を捉えたものであるため、この兵士と娘の間に流れるやわらかな空気がなかったのだ。

あぁこれが彼の描く光なんだなと改めてその画に魅せられ、僕は美術館を後にした。そして次の光を求め、ボストンに向かったのだった。


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2009/10/04(日) | Art | トラックバック(0) | コメント(0)

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