若き経済学者のアメリカ ≫ Education

Teacher Quality の国際比較

前々回書いた、アメリカの初等教育の現場に優秀な教師がいないという内容と整合的なレポートが、先月マッキンゼー社から発表されていた。"Closing the talent gap: Attracting and retaining top third graduates to a career in teaching" と題された本レポートでは、アメリカにおける教師の離職率の高さや今後10年間で約半数が定年退職を迎えることを踏まえ、"Who should teach?" と警鐘を鳴らす。
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2010/10/11(月) | Education | トラックバック(0) | コメント(0)

学校教育と逆選択

経営学者ピーター・ドラッカーは、ビジネスマンや女子高生マネジャーの啓蒙にばかり忙しくしていたわけではない。彼は「絶えず教育に立ち返ることが個人のイノベーションを促進する」と、教育全般に渡ってその重要性を指摘し続けた。しかし残念ながら公教育の現場というものは、洋の東西を問わずイノベーティヴとは縁遠い世界でもあったりするのだ。
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2010/10/07(木) | Education | トラックバック(0) | コメント(0)

学校教育とアカウンタビリティ

アメリカの公立校のデータは、州によって異なるものの相当量が一般に公開されている。テストの点数を始め、人種構成、英語習熟度等々のデータが学校別かつ学年別に整備されている。アカウンタビリティが徹底しているのは、各家庭にとっても研究者にとっても重要なことなのだが、ときにその徹底ぶりに背筋が冷たくなるのもまた事実である。それはあまりにもリアルに、それぞれの学校のことが想像できてしまうということなのである。

テストの点数によって、いわゆる「できる学校」と「できない学校」に簡単に色分けされるのはもちろんのこと、どれだけ人種「区別」が進んでいるのかも分かるし、低収入の家庭が占める比率も推測可能だ。そして想像力をクラス・学校単位から学区・地域単位へと膨らませてみると、「瀟洒な住宅街」と「荒廃した町並み」すら見えてくるような気がする。
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2010/08/06(金) | Education | トラックバック(0) | コメント(0)

Do Longer School Days Matter?

年間授業日数の国際比較で、アメリカでもしばしば言及されるのが、東アジア各国(日本、韓国、中国)の授業日数の多さ。それを踏まえ、アメリカの小中学校は休日が多過ぎるという批判なり、基礎的な学力が培われていないという指摘はごもっともと言わざるを得ない。そしてその反動として、実際にKIPPを始めとするチャータースクールでの授業時間増につながっているわけである。

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2010/08/04(水) | Education | トラックバック(0) | コメント(2)

全米最大のチャータースクール KIPP

Teach For America を通じて公立校に教師として赴任した Dave Levin と Mike Feinberg。そんな二人が赴任期間を終え、1994年に立ち上げたのが、KIPP (Knowledge Is Power Program) という新たなチャータースクールプログラムだった。設立15年を過ぎ、今や全米に82校を展開する最大のチャータースクールとなり、21,000人の生徒が通っている。そのKIPPの特徴は、以下の5つに運営方針に集約される。

1.High Expectations
生徒・両親・教師・スタッフが一丸となり、どんな生徒でも学力向上を実現できるよう努めること。

2.Choice & Commitment
入学するのは生徒自身の意志。自分で選んだからには、時間をかけて努力し成功を目指すこと。

3.More Time
人生と学問に近道なし。時間をかけて学習し、高校および大学入学を目指して準備すること。

4.Power to Lead
優れた学校に必要なのは優れたリーダー。予算と人事を管理し、最大限生徒の支援を行うこと。

5.Focus on Results
成果は標準テストで測る。生徒一人一人の努力の結果として好成績を期待すること。

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2010/08/02(月) | Education | トラックバック(0) | コメント(0)

社会起業家の先駆け Teach For America

論文で取り上げられていた、米国最大のチャータースクールプログラム KIPP(Knowledge Is Power Program)。そのKIPPを語る際に外せないのが、1990年設立のNPO、Teach For America である。KIPPを設立した二人は、この Teach For America の卒業生でもあるのだ。以下が英治出版による、Teach For America の概要紹介だ。
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2010/07/30(金) | Education | トラックバック(0) | コメント(3)

米国チャータースクールの躍進

アメリカのチャータースクールの歴史はミネソタ州から始まる。1991年に法案が成立し、翌年に米国初のチャータースクールが開校する。公設民営型のこの公立校は州や学区によって認可され、設立後は計画通りに教育成果が挙がっているかどうかを評価される代わりに、様々な規制が免除される。そのため、独自の教育理念やカリキュラムを制定でき、かつ教員の採用・考課にも自由度が高まり、従来の公立校の荒廃に不満が高まっていた家庭の期待を集めることとなった。

その動きは他州にも広がり、同1992年にはカリフォルニア州でも法案が成立。以降全米に波及し現在は合計4,000校以上のチャータースクールに120万人以上の生徒が通っている。(州別集計)そして、教育再生を重点政策の一つに掲げるオバマ政権になり、チャータースクールへの注目はさらに高まっていると言える。昨年の議会演説の中でも教育予算の項目に触れ、以下のように述べている。(演説原稿
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2010/07/21(水) | Education | トラックバック(0) | コメント(0)

Is American creativity declining?

Newsweek の記事 "The Creativity Crisis" が興味深い。1990年以降、アメリカの creativity が落ちているという指摘。creativity をどう定義し、どう測定するかという議論はあるが、ここでは心理学の分野で広く使われている Torrance Test の結果をもとにしているということだ。具体的な数値が示されていないのでどの程度の下落なのか分からないのだが、この指摘そのものに対しては、実はアメリカ人もあまり驚かないのではないだろうか。
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2010/07/19(月) | Education | トラックバック(0) | コメント(0)

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