若き経済学者のアメリカ ≫ Books

シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」

以前に紹介した、ネイト・シルバーの著書 "The Signal and the Noise: Why So Many Predictions Fail-but Some Don't" がようやく翻訳出版された。

・選挙ウォッチャー:ネイト・シルバー

・全米大学バスケット・トーナメントと、統計家ネイト・シルバーの優勝予想
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2013/11/28(木) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

世界最長のアメリカの鉄道と、世界最正確の日本の鉄道

アメリカはその国土の広さもあって、現在世界最大の鉄道ネットワークを築いている。ところが、日本やフランスやスイスと比べると、圧倒的に利用率が悪く(参考:Railway Statistics (PDF), Wikipedia)、Why don't Americans ride trains? という Economist の記事


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2013/09/08(日) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

高架上の散歩道:ニューヨーク流都市再生の物語

ニューヨークの新たな観光名所、なのかどうか知らないのだが、歩いていてとても気持ちのよい散歩道。それが High Line (参考:thehighline.org および ニューヨーク経済新聞)。 マンハッタンのはずれにあった高架上の貨物列車廃線跡を、以下の写真のように、歩行者だけが通れる道としたもの。自転車やペットも禁止。ただ歩くのみ。

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2013/09/03(火) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

翻訳『TEDトーク 世界最高のプレゼン術』

TED関連書としてはイチオシの一冊として、以前におすすめした "How To Deliver A TED Talk: Secrets Of The World’s Most Inspiring Presentations"。

・優れたTEDトークは、どこがどう優れているのか?


その翻訳書が『TEDトーク 世界最高のプレゼン術』として登場した。ただ、TEDトークを使って英語とかプレゼンとかを勉強しようというのであれば、最初から洋書を読んだ方がいいんじゃないだろうか、という思いは拭えない。わざわざ翻訳してくれたことには感謝すべきなのだろうけれども。


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2013/07/31(水) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

数学は本当に美しいのか?

雑誌「考える人」は、たまにしか買うことがないのに、そのたまの機会にはどうしても手にしたくなる稀有な雑誌である。前回買ったのは、3年前の8月号で村上春樹のロングインタビューが掲載されたときだった。

・村上春樹・「最後まで歩かない」ロングインタビュー


そんな「考える人」の最新号の特集は「数学は美しいか」。村上春樹の河合隼雄賞受賞記念の特別寄稿もあり、個人的には絶対に買い、の一冊である。


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2013/07/29(月) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

貧困大国アメリカ:超格差は越格差できるのか?

堤未果の最新刊『(株)貧困大国アメリカ』を読んだ。


前に書いたように、2000年代中頃から、格差/貧困/ワーキングプアという言葉が日本のメディアでたびたび使われるようになった。それと同時に、今まで無関係と思っていたアメリカの格差社会こそが日本の未来像ではないかという認識から、アメリカの現状をまとめた書籍が売れた。

・ベストセラーで振り返る日本の雇用・労働・就職のこの十年


それが2006年に出版された小林由美『超・格差社会アメリカの真実』であり、2008年の堤未果『貧困大国アメリカ』であった。今回の最新作『(株)貧困大国アメリカ』は、その2008年『貧困大国アメリカ』、そして2010年の続編『貧困大国アメリカ2』に続く、シリーズ完結編という位置づけだ。
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2013/07/22(月) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

フェイスブックCOOサンドバーグの、女性リーダー論

シェリル・サンドバーグが自身のキャリアを振り返りつつ、ビジネスの世界で女性がもっと発揮できるリーダーシップについて語った『リーン・イン』が早くも翻訳出版された。翻訳者は、カーネマン著『ファスト&スロー』や、世界の物流を変えた『コンテナ物語』等の経済・経営書を多く手がけている村井章子氏。仕事はやいなー。

・ダニエル・カーネマンと行動経済学

・荷物のイレモノ:コンテナ物語


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2013/07/02(火) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

驚きの数学と、驚きの研究所

なんと、以前紹介した "In Pursuit of the Traveling Salesman: Mathematics at the Limits of Computation" が、『驚きの数学 巡回セールスマン問題』として翻訳出版されたようだ。面白い内容だけれども、決して多く売れるような本ではないと思っていただけに、翻訳されたのはちょっと意外。また、タイトルから、Limits of Computation を除き、「驚きの数学」として一般向けを企図したのかも知れないが、それにしてはちょっと価格設定が高かったように思う。

・巡回セールスマン問題と RAND Corporation


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2013/06/28(金) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

山本兼一『利休にたずねよ』と品性と執着と俗欲と

これは面白いと唸った一冊。まさか美を極めた利休をこんな風に描いてくるとは思わなかった。艷(つや)やかで艶(あで)やかで艶(なまめ)かしい。

秀吉と利休はまったく異なる品性を備えていたと思われがちだが、二人の執着や俗欲ぶりが瓜二つのようにも思えてくる。ただその対象が異なっていた、ということだけなのかも知れない。

やんちゃだった少年時代と命がけの恋、失敗を経ながらも古物商として頭角を現し、当代随一の茶頭に成り上がる。そのサクセスストーリーの一方で、時に鋭すぎるほどの才覚は師匠からも窘められ「利を休めよ」という助言とともに「利休」の名を授かる。

しかし彼のそのセンスが休みを挟むことはなく、それは秀吉にとっては絶え間ない殺意そのものであり、だからこそ返す殺意で彼に自らの腹を切らせた。どちらかが死を選ばねばならないほどに、この二人はよく似ていて、それゆえにお互いに対する近親憎悪があったように感じられてならない。


利休にたずねよ (PHP文芸文庫)

女のものと思われる緑釉の香合を肌身離さず持つ男・千利休は、おのれの美学だけで時の権力者・秀吉に対峙し、天下一の茶頭へと昇り詰めていく。しかしその鋭さゆえに秀吉に疎まれ、切腹を命ぜられる。利休の研ぎ澄まされた感性、艶やかで気迫に満ちた人生を生み出した恋とは、どのようなものだったのか。思いがけない手法で利休伝説のベールが剥がされていく長編歴史小説。第140回直木賞受賞作。

2013/05/24(金) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

巨編『ソロモンの偽証』で描く、宮部みゆきの怒りと凄み

宮部みゆきが5年ぶりに放った社会派現代ミステリーの大作『ソロモンの偽証』。厚手のハードカバー3分冊もの量があるにも関わらず、一気に読みきってしまった。最近、普段はあまり読まない日本の小説を続けて読んでいるのだが、その中でもずば抜けた疾走感を伴って読んだ作品だった。


・百田尚樹『海賊とよばれた男』と少年の大志

・横山秀夫『64』と過去を直視する勇気

・原田マハ『楽園のカンヴァス』がすごくイイ


この『ソロモンの偽証』の舞台は中学校だ。クリスマスの夜、一人の生徒が屋上から転落死した。自殺か他殺か?いじめとの関連は?そういう極めて現代的な題材だけでなく、学校で生徒による公開裁判が開かれるという展開、次々と出てくる新たな証言、そして最後に辿り着いた真相は・・・。


先日読んだ重松清の『十字架』も、中学校での自殺を扱ったものだった。しかし、同じテーマを扱いながらも、ヒューマンドラマとして仕上げる重松と、社会派ミステリーに仕立てあげる宮部。全く異なるアプローチで、どちらも見事という他ない2作品だと思う。

・重松清『十字架』と自殺と「ともだち」の意味


本作『ソロモンの偽証』で感じたのは、宮部の怒りである。凄まじいまでの怒りと、凄みを利かせた睨み。宮部のそういう意識を意識し、背筋に冷やりとするものを感じながら読まざるを得ない、そんな緊張が最後まで続いた。
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2013/04/24(水) | Books | トラックバック(0) | コメント(0)

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